銀幕大帝α

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モンスターズ/地球外生命体

2011年10月14日 23時41分29秒 | 洋画サスペンス
MONSTERS/10年/英/94分/SFモンスター・サスペンス・ロマンス/劇場公開
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:ギャレス・エドワーズ
撮影:ギャレス・エドワーズ

出演:スクート・マクネイリー、ホイットニー・エイブル

<ストーリー>
地球外生命体のサンプルを乗せたNASAの探査機が地球帰還目前に大破し、メキシコの半分がモンスターの繁殖する危険地帯として隔離されている近未来を舞台に、ひょんなことからその危険地帯を通って一緒に帰国するハメになった一組のアメリカ人男女の運命を描く。
<感想>
主演男女2人以外は現地調達のエキストラという、異色の低予算モンスター映画。

モンスター登場シーンは必ず夜。
全形をはっきりと観てとらせないのは低予算故の監督なりの工夫か。
それでもタコ型モンスターの触手が戦闘機を湖底に引きずり込む場面や、のしのしと歩む場面は迫力的に描かれています。

昼間のシーンは専ら現状を撮影し続ける専属カメラマンが、社長令嬢と共にメキシコの危険地域を抜け、アメリカ国境付近まで逃げる様を追ったロードムービーなのだが、街の惨状を明確に映し出す事によって、一種のドキュメンタリータッチになっている所がユニーク。
ポイント的にモンスターの姿を見せず、敢えて咆哮と音、そして軍用機が飛び交う様を映す事で、何時何処から奴らが出てくるか分からない緊張感みたいなものを常に抱かさせる辺りにもアイデアが行き届いている。

モンスターが出るのは夜のみと先に書いたが、これが凄く活きているのが、終盤での2人が軍の助けを待つ休憩所でのシーン。

2体の巨大なモンスターが出現し、頭部を赤く発光させながら愛の契りを交わすのだが、2人が余りの美しさに魅せられていき、その姿に触発されたのか、内に込めていたお互いへの想いを打ち明けるかの様にキスという行為で愛を確かめ合う。

脱出という苦境の中で芽生えた愛が、モンスター同士による愛の馴初めにより、ようやく最後で成熟されるといったこの一連の流れの持って行き方には、ロマンスというジャンルを成立させる事にも成功していて、演出力の巧さに思わず舌を巻かされてしまった。

しかし、それ以上に唸らされたのが、その後の出来事。
実はこのラストシーンは冒頭のシーンと繋がっていた、というからくりがあったのだ。
軍によって引き離され、別々の軍用車に乗せられた2人。
改めて冒頭シーンを見返してみればはっきりするが、余りにも酷い恋の顛末となっている。
一旦2人の結ばれる姿に心を温めさせておきながら、惨劇をもってそれも一時の夢だったと、一気に奈落の底に突き落としてくれる明から暗へと引き継がれた嫌~なエンディング。
エンドロールが流れ出した瞬間、なんとも言えない重苦しい空気を感じ取り、「え?まさか・・・」と半信半疑でもう一度冒頭を再生させて観直し、改めて「うわぁ~」と悲観。

後味最悪な余韻をグッと引き寄せる上では見事なまでのロマンス崩壊悲劇を完成させているではないか。
やるなぁギャレス・エドワーズ監督。

オフィシャル・サイト(英語)
オフィシャル・サイト(日本語)

評価:★★★★
11/10/13DVD鑑賞(新作)
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レンタル開始日:2011-10-14
メーカー:クロックワークス

関連作:
『モンスターズ/地球外生命体(2010)』(第1作)
『モンスターズ/新種襲来(2014)』(第2作)
コメント (14)
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