銀幕大帝α

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凍える牙

2013年02月28日 23時02分46秒 | 韓国サスペンス
孤独の欠片を拾い集め、
声なき叫びを追え――。


-感想-

かなり内容の濃いサスペンス映画でありました。
しかも殺伐とした感じだけで終わらず物悲しい内容になっているのも良かったですね。

廃人になった娘の復讐として関わったヤクザ者を元警官の父親が愛情を込めて育て上げた狼犬を使って制裁していく。

もうこのプロットだけでも泣けてきます。
影の主役でもある狼犬の哀しみに満ちたブルーアイも印象的でした。

情けをかける必要の無い悪党の命と復讐に利用された狼犬の命。
果たして救うべき命はどちらなのか。
やむを得ない選択だったとは云え、本当にそれで良かったのだろうかと考えさせらるラストシーンはエンドロールに入ってからも頭から抜けなかったです。
娘と狼犬のじゃれ合う回想シーンがまた効果的でじわじわと胸に響いてくるんですよね。

この作品では女性軽視も大きく描かれています。
余りにも酷い新米女性刑事へのパワハラ。
物凄く不愉快です。
幾度と無くイラッとさせられたのですが、ソン・ガンホがある一言によってぶち切れて、背中におもいっきり飛び蹴りを食らわした時は「っしゃ!!」って思うと同時に、さり気ない優しさに目頭がグッと熱くなりましたよ。
それまではどんなに女性刑事が嫌味言われようとも見て見ぬふりしていたのに急に立ち上がって“おりゃぁあ!”ですもん。
自分が馬鹿にされたってのもあったのでしょうけど、流石にあの一言は聞き捨てならなかったんでしょうね。

本作の原作者は日本人の乃南アサという方で、日本では2度ほどTVドラマ化されていますが、映画化されたのは今回が初めてのこと。
乃南アサ氏によるとこの映画版が一番上手く作り込まれていたとのことでした。

昇進する事しか頭にない刑事ソン・ガンホ。
事件解決の為にもひたすら正義感に燃え現場を走り回る女刑事イ・ナヨン。
静と動という対照的な刑事コンビによる難事件捜査の行方と真相解明には目が離せず、丁寧に描かれた物語に自然と引き込まれる傑作でありました。

評価:★★★★
13/02/27DVD鑑賞(新作)

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レンタル開始日:2013-02-08
メーカー:東映ビデオ

HOWLING
2012年
韓国
114分
サスペンス
劇場公開(2012/09/08)



監督:ユ・ハ『マルチュク青春通り』
原作:乃南アサ『凍える牙』
脚本:ユ・ハ
出演:
ソン・ガンホ『青い塩』・・・サンギル
イ・ナヨン『悲夢(ヒム)』・・・ウニョン

<ストーリー>
男の身体が突如発火、炎上する事件が発生。しかもその遺体には獣の咬傷が残されていた。刑事・サンギルと新米刑事のウニョンが捜査に乗り出すが…。


オフィシャル・サイト(日本語)

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