銀幕大帝α

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偽りなき者

2017年05月17日 14時09分41秒 | 洋画ドラマ
JAGTEN/THE HUNT
2012年
デンマーク
115分
ドラマ
R15+
劇場公開(2013/03/16)




監督:
トマス・ヴィンターベア
脚本:
トマス・ヴィンターベア
出演:
マッツ・ミケルセンルーカス
トマス・ボー・ラーセンテオ
アニカ・ヴィタコプクララ
ラセ・フォーゲルストラムマルクス
スーセ・ウォルドグレテ
ラース・ランゼブルーン



<ストーリー>
離婚と失業の試練を乗り越え、ようやく穏やかな日常を取り戻した幼稚園教師・ルーカス。そんなある日、親友の娘の作り話が元で、彼は変質者の烙印を押されてしまう。

決して、譲れないものがある――

-感想-

・・・しんどい。
借りるのを躊躇っていた理由はある。
概要読んだだけでも絶対重たい内容やん!て。
全く非のない人間があらゆる方向から酷い仕打ちを受ける。
観てられない。
ワンちゃんが殺されて玄関前に放置されている場面なんて惨すぎだ。

幼い女の子のちょっとした「嘘」によって人生を滅茶苦茶にされてしまう教師。
主人公からしたら「なんでこんな事になっているんだ!」当然である。
幼女の「嘘」を信じ切った大人からしたら「あいつは変態だ!近寄るな!!」当然である。
仮にもし私に娘が居て突然「パパ、先生が私におちんちん見せてきたの」て言ってきたらそりゃもう烈火の如く怒り狂うはずだ、当たり前のこと。

ターニングポイントは主人公が幼女から手紙を貰った時に拒否しなければ良かったのだ。
唇にキスもされるが笑って受け流せば良かったのだ。
真面目すぎる性格故に幼女の恋心を傷付け、ありもしない「嘘」を付く羽目になったのは結果的に取った行動が失敗、私から言わせると下手糞。
このブログを愛読してらっしゃる方ならもうご存知だろうと思うが私もインストラクターという一種の教師。
幼児教室も担当している。
別に自慢ではないが生徒の女の子からこっそりと何度もお手紙を貰っている。
突き返そうなんて思った事など1度もない。
相手の気持ちを尊重しているから。
それを「こういうのはいけない」と受け取りを拒むと女児の心を痛めてしまうのは目に見えて分かりきった事。
一度きりではなく、今後も長く続く教師と生徒といった関係性を重視したならば、幼児の行為には、無邪気さから来る可愛さとして素直にありがとうと応えてあげるべきだった。

けどその大人の対応が出来なかった小さな過ちだけで、いきなり変質者扱いを受ける主人公は本当に気の毒。
仕事はクビになり、買い物すら行けなくなる状況。
私ならその環境に堪えられなくなって他県へ引っ越す事も考えるかもしれない。
しかしそうすると「嘘」を認めて逃げ出したと更に誤解を招きかねないんだよなあ。
難しい選択肢ではある。

小さな女の子の言葉を鵜呑みにし対象者に罵声を浴びせる大人の気持ちも分かるだけに、誰に非があるのか、誰にも非がないんじゃないかと複雑な気分に陥り、もうなんだか胃はキリキリと痛み出すわ、頭は痛くなるわで、冒頭に書いたようにただただ、観続けるのが「しんどい」映画だった。

こうなってくると最後に求めるのは“救い”、この1点。
皆して手のひらクルッと返し、事件前の状態に戻った様に見せかけておいて、あのビクッとなるラストなんだもん、何処まで私の感情を逆なでするような演出を続けるんだよ!!て、期待した“救い”は悲しい事に姿を見せず仕舞いで、最低で最悪な余韻だけが残ってしまった。

一度人々に植え付けられてしまった「印象」というものはそう簡単には消え去らない、そういった「怖さ」を痛く感じました。

主人公目線で観る映画としてはやりきれない気持ちだけしか生まれないので、☆1つとしておく。
但し考えさせられる映画としての評価は迷いなく★4つとする。

評価:or★★★★
17/05/17DVD鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2013-10-04
メーカー:キノフィルムズ

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