DELIVER US FROM EVIL
2020年
韓国
108分
アクション/サスペンス/犯罪
劇場公開(2021/12/24)
監督:
ホン・ウォンチャン
『オフィス 檻の中の群狼』
脚本:
ホン・ウォンチャン
出演:
ファン・ジョンミン・・・インナム
イ・ジョンジェ・・・レイ
パク・ジョンミン・・・ユイ
白竜・・・先生
豊原功補・・・コレエダ・ダイスケ
<ストーリー>
凄腕の暗殺者・インナムは、東京での仕事を最後に引退を決意する。一方、インナムに兄を殺された殺し屋・レイは、復讐のために死体の山を築きながらインナムに迫り…。
殺し合う理由。
そんなものは忘れた――
―感想―
オカマちゃん( ´∀`)bグッ!
昔、死んだばあちゃんが言ってた「オカマにはね悪い人は殆ど居ないんだよ」って。
只のオカマという設定じゃないのがキャラとして活きている。
彼・・・彼女?にも韓国に残してきた我が子がいるというのが、子の為に奮闘する主人公に対して強い気持ちが反映して、少なからずとも好意的な感情が芽生えていたから、あれだけ非協力的にはならなかったんだろうなあ。
俺も心の何処かでオカマちゃんが助けに来てくれるて願っていたもの。
誘拐されて臓器売買で命の危険に晒されている娘を救い出そうとする合間を縫って主人公に殺された兄の敵討ちだと執拗に追い掛けてくるレイ、一つの工場を潰された恨みだと刺客を送り込む現地大物ボス、そして警官隊。
すんなりと目的だけを果たさせてくれない、その余計な邪魔によって、とんでもない殺戮アクションと化す。
こんな香港映画でも滅多に見れない様な演出、よう考えるわ。
殺す時は必ずその体、解体しますがモットーなレイの狂気以上他ならない鬼の執念も凄まじかったが、主人公の子を必ず無傷で保護するという為だけに生きている、その勇ましい姿には心震える。
頑丈なアタッシュケースの使い方なんて、展開に上手く作用しとる。
俺はどれだけ傷だらけになろうとうも例え死のうとも構わない、この子だけは安全に逃がすんだ!
なんとなくリーアム・ニーソンの『96時間』を彷彿させる内容で、あれに韓国特有のエグさを追加させた感じ。
そして欧米映画だったなら、あー良かった良かっためでたしめでたし、で終わる所を、韓国映画なもんだから猛烈な悲壮感を漂わせてエンディングを迎える。
父の娘を想う感情の爆発から最後に辿り着く安心と永遠の別れ。
どっぷりと切ない余韻に浸れる意味では、本作の様な観客の心情を揺さぶって来るクライマックスの方が堪らなく好きだ。
誘拐という危うき目に遭い、ストレスで言葉が発せなくなった子が、少しだけ待っていてくれるか?と告げた際、主人公にハグを強請る場面で、思わず嗚咽を漏らす父。
ああいうのほんまダメ、俺まで目頭にグッときてしまったがな。
序盤日本で一仕事終えたその後は、怒涛の展開で、どういった結末になるのか気になるし、ほんと最後まで目が離せなくなる傑作。
オカマちゃんの圧倒的存在感に、それ以上の活躍には期待しか持てない等、各々のキャラ立ちとバイオレンス的アクションとそれらが上手く嚙み合った筋書き、全てに心底楽しませて貰った。
「お父さんはサッカーボールを作ってるんだ」
何かの隠語か?と邪推してたら、まんまサッカーボール製造工場だったのには苦笑い出た。
評価:★★★★★
22/05/04DVD鑑賞(新作)
レンタル開始日: 2022-04-27
メーカー: ツイン