銀座ジャズバーエムズのブログ

 生演奏のある小さなバー・・・「大人のくつろぎ空間」をお探しの方にご案内申し上げます。

男歌・女歌

2018-02-02 14:15:23 | 

'Like A Lover'

元歌はブラジルで歌詞の内容も違いますが、いろいろなジャズ歌手が

カヴァーしている英語版:

「・・・朝日になって 恋人のように そっとあなたのほほに触れたい

・・・川面をわたる風になって あなたの髪を指に絡めたい

・・・あなたの唇の感触を知っているカップが妬ましい

指先を感じるテーブルも・・・」

 

 どうです?日本語にすると過激に濃厚、しかもこれ、どちらかと言えば

男性側からのほうが似合いの内容のような気がします。 でも、そこで

歌詞の内容を考え込んでしまって違和感を持つ、というのはまた違います。

詩を散文的にとらえる、というか、音楽を左脳で理解したり判断したり

することになり、歌うアプローチとしてあまりイカサナイと思うのです。

 「私はこういう経験がないから」「今の自分に似合わないから」

というのも変。

それじゃあジャズ歌なんてやれません。ていうか向いてません。

 

 もっと大きなイメージで、「人生って、そういう時あるよね」とか

「男性の(女性の)気持ちってそういうのわかるよね」という、

人間的な共感を演奏で(歌で)表現する、というのがテーマだと

私は思っています。

だから厳密に男性または女性でないと変だ、というのは、具体的に

男性または女性の名前が入っていてそれを賛美するような場合くらいで、

でも「星影のステラ」なんて、「ステラって素敵な子だよね~~」

てな感じに細部を変えて平気で歌いますもんね。

 先日、ビリー・ホリデイのイメージしかなかった

'I'm A Fool To Want You'

妙齢の(出た!)紳士がお一方ならず見事に歌われたのを聴いて、

スタンダードの普遍性をまたしみじみ感じた次第です。