銀座ジャズバーエムズのブログ

 生演奏のある小さなバー・・・「大人のくつろぎ空間」をお探しの方にご案内申し上げます。

歌詞

2018-09-11 13:59:31 | つれづれ

 「よくもまあ、そんなにたくさんの曲を覚えられますね」と

しばしば言われます。 でも、考えてみれば、一日に歌うのは数曲ですから

いっぺんに何百曲も思い出す必要はないわけです。

ただ、問題は「自分のレパートリー」と言える曲をどのくらい持っているか、

現場のプロの価値はそれに尽きると思うのです。

 あれも歌いたい、これも歌いたいと思って、一日に2曲も新曲を試す、

なんてことができた時期もありましたが、それは「瞬間芸」みたいなもので

いつなんどきでも「ちょっと、あれ歌って」という要請に応えられるようになるには

さらに数か月とか数年とか、時々思い出しては歌いこまないと、本当に

自分のものにはなっていないのでした。

 そして自分なりのアレンジができあがり(どういうテンポでどういうリズムで、

どういうエンディングでetc....)、歌詞についても、前振りで

「この歌の歌詞はこういう情景を描いています」と説明できるくらいになると、

今度は何年もたってからいきなりやっても、不思議とスラスラと歌詞は出て来る

ものですね~~ アタマの中にその情景が浮かぶと、自然と口ずさみ慣れたフレーズが

出てきて、次のフレーズはきっと韻を踏んでるよな~~なんてイメージしながら

歌い切れてしまうようになります。

 ただし、アタマの中に歌詞がテロップのように浮かんでくるタイプのものはダメ

きっと私はその曲に向いていないか、好きになれないのでしょう。

いつまでたっても「レパートリー」にはなりませんね。


亡き大先輩に捧ぐ

2018-09-03 15:04:45 | つれづれ

 昨日:9月2日(日)の【エムズ・ミュージック・サロン】は

「Tribute愛好会」と題して「P」で始まる曲の数々、、そして

河辺浩市さんと光井章夫さんにまつわる想い出の曲をお送りしました。

「サプライズ・ゲスト」として五十嵐さんと下間さんがご参加下さり、

このラブラブなフロントお二人のコンビネーションも含めて、

一味違った渾身のパフォーマンスになりました

 

 昔は良く現場で演奏されていたのに、最近ではまず思い出さない曲・・・

"Pretend"もそういう曲の一つですが、この曲ばかりをリクエストして

女性と踊るのがお好きだった方のことなど、自然にいろいろなシーンが思い出され、

洋さんとのステージトークも盛り上がりました。 客席で聴いていた五十嵐さん

「オレさ、間奏の間にミキちゃんと踊れば良かったな~~

そういえば、以前にお世話になったジャズ・クラブで、こちらも大先輩の

尾田悟さんのバンドに、マーサ三宅さんがゲスト出演なさった時のこと、

曲は忘れましたが、間奏の間にお二人で踊っていらっしゃいましたよ

 

 「五十嵐さん、次の曲一緒にやってくださいよ」と洋さんに言われて

「はいはい、ちょっと待ってね」と姿を消す?五十嵐さん、まだ暑いのに

ちゃんとジャケットのボタンをかけながら再登場

 そういえば河辺さんも、ステージの途中で具合が悪くなり、救急車を呼んだのに

気がつくと「あ~~大丈夫、アタシにはちゃんとかかりつけがあるから」と

強引に救急隊を帰し ネクタイを締めなおして再び演奏に。

 こういう先輩方世代の折り目正しいダンディーさは、今の業界には

薬にしたくともなくなりましたね。人のことは言えませんが

 

 そんな佳き時代の想い出の場面、一曲一曲への思い入れを、存分に集中して

お届けできたひととき、その場に居合わせた方々しか共有できない宝物のような

時間でした。 誰一人、写真も動画も撮ろうとすることなく、こちらも存分に

聴き入るという、まさに「ライブな」時間、時々はそんなステージが

あってもいいのじゃないかな、としみじみと思ったのでした。