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地方自治の本旨

すでにお伝えしましたように、7日の朝、急遽、箕面市議会の傍聴に出かけました。箕面市議会は、藤沢さんが市長になってからは多くの市民が傍聴に行ってます。このときももちろん市民が傍聴に来ていました。

<あえて議会への報告を望んだ>
上告するときは判決後2週間以内に上告しなければなりませんが、上告しないときはそのままにしておくだけで、判決が確定します。ですから、今回のように議会で報告する必要もないのですが、議会で報告をして説明責任を果たしたいと言うのが市長の意志だったとのことです。

報告の場合は審議をしないこともあるのですが、議員側から動議があり、質疑を行うことになったとのこと。

<議員からの質問概要>
○裁判では箕面市が訴えられているのであって、市長一人ではない。市長一人で上告しないことを決めるのはおかしい。

○憲法判断は最高裁が行うので、高裁の判決で確定するのはおかしい。最高裁の判断まで待つべき。最高裁の判断がないまま、なぜ高裁判断が正しいと言えるのか

○最高裁が異なる判決をした場合、今回の処置(住民票コード番号を削除)は正当でなくなる。是正できるのか。

○そもそも住民票コード番号は削除できるのか。削除にかかるコストは。

○住民票コード番号を削除することでサービスの低下が生じ、職員の事務量が増えるのでは

○公共の福祉をどう考えるか

○今回の訴訟は自治体が訴訟対象でありながら実質法務省があたっている。したがって、自治体の個別の判断を問うものではない

○もし、次々と削除を求める市民が出てきたらどうするのか?

<質問に矛盾>
ずっと傍聴していて、質問議員の質問自体に矛盾があると思いました。
それは、
○日ごろ、地方分権といいつつ、自治体の訴訟に法務省があたっていたり、自治体の個別の判断を問うものではないとの発言はは、おかしい。
なぜなら、判決は住基ネットそのものについて否定しているのではなく、住基ネットに接続してほしくない市民一人の住民票コード番号を削除することを求めているだけで、どんな方法をとるのかは別として、削除は自治体だけで可能です。

○住民票コードを削除してほしい市民が市役所に押し寄せてきたらどうするのか、ということについても、たくさんの市民が押し寄せれば押し寄せるほど、住基ネットに危惧を抱き、接続してほしくない市民が多いということであって。であれば、多くの市民が不安に思う住基ネットの存在そのもの、あるいは少なくとも箕面市が接続しているのは、市民の合意の下であると言えるのかどうか。

もちろん、住民票コード番号を、一人だけとはいえ削除することは、住基台帳法に反することなので、住基台帳法やそれに基づいている住基ネットの根幹にかかわることであり、一自治体で決められるものではない。
という考え方もあるでしょう。

また、削除するための新たに作らなければならないシステムのために多額のお金がかかると反対する人もいるでしょう。

しかし、国が決めたから、国会が承認したから、すべてが正しいということではありません。
異議を唱え続ける人がいるからこそ、より良くなっていくということもあります。

また、そもそも、矢祭町や杉並区や国立市が住基ネットに接続していないのにもかかわらず住基ネットは存在し、国からこれらの自治体への実質的な処罰もありません。逆に言えば、箕面市が市民一人の住民票コード番号を削除することは、住基ネットにとってほとんど影響ないともいえるでしょう。

<市長判断を支持>
「自治の本旨」「人権を大切にする箕面市の代表として」
という、自治体としての本質に基づいてされたことについて、改めて敬意を表します。
また、
「私は住基ネットからの離脱を望んでいる市民にまで強要することはプライバシー権を侵害し憲法13条に違反するというこの高裁判決を重く受け止め、最高裁判決に委ねるのではなく、人権を守る立場の自治体の長として、この判決を確定させることを決めました。」という藤沢さんの決意に拍手を送ります。 

<追記>このコメントに対して吹田市民のFさんからメールが届きました。私が書ききれなかったことも書いてくれていますので12月12日のブログで紹介します。
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