<維新政治塾スタート>橋下徹・大阪市長率いる「大阪維新の会」の「維新政治塾」がスタートした。受講生は約2,000人を前に、「しっかり価値観を共有して、合わなければ違う価値観のグループに入ってもらったらいい。意見の対立、議論はあっても最後は決定できる集団にしていきたい」「歴史を振り返っても、必ず、地方の動きから中央の体制がひっくり返る。地方が中央を変える」と決意を語った。(読売新聞 2012/03/25)
この政治塾で人材を養成、発掘して次期衆院選で国政進出を果たそうというのだ。ところで、「維新の会」が目指すものは何なのか。今の段階は、まだ確定したものではないというが、「維新八策」として世に出回っている。その目的は、次のようなものだ。
〈維新八策の目的〉
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
・日本の一人勝ちの時代は終わった
・今の日本のレベルを維持するには国民総努力が必要
・国全体でのオペレーションから個々の創意工夫による活性化
上記の基本的な考えに沿って、各論が出されているが、原案の段階だというので、ここでは省略する。
この「維新八策」は、言うまでもなく、1867年6月(暗殺される5か月前)、坂本龍馬が後藤象二郎らと長崎から上京する際、土佐藩の藩船「夕顔丸」の船中でまとめた「船中八策」に倣ったものだ。(実際に文章化したのは、海援隊書記・長岡謙吉である)これは、新生日本の国家体制について書かれたもので、後に五箇条の五誓文の原案になったと言われている。
これを、後藤象二郎が土佐藩主・山内容堂に上申したことから、将軍・徳川慶喜が大政奉還を決心するきっかけとなったものだ。
<船中八策>
・天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事。
・上下議政局を設け、議員を置きて、万機を参賛せしめ、万機よろしく公議に決すべき事。
・有材の公卿諸侯および天下の人材を顧問に備え、官爵を賜ひ、よろしくし従来有名無実の官を除く べき事。
・外国の交際広く公議を採り、新たに至当の規約を立つべき事。
・古来の律令を折衷し、新たに無窮(むきゅう)の大典を選定すべき事。
・海軍よろしく拡張すべき事。
・御親兵を置き帝都を守護せしむべき事。
・金銀物貨(ママ)よろしく外国と平均の法を設くべき事。
<橋下徹は、平成の龍馬になれるか?>
既成政党は一部の政党を除き、ある程度の評価をしつつも概ね一定の距離を置いている。いずれ戦う相手となるのだから当然のことだ。政治学者や評論家などの中にも、「具体性がない」「劇場型政治は危ない」「独裁政治やポピュリズム現象の危険性あり」などと批判している。確かに、現段階では、具体性を欠いていることは、その通りかもしれない。だが、リーダーとしての資質を見た場合、発信力の強さは誰しもが認めるだろう。それは、「分かりやい」「政治姿勢に覚悟を感じる」「スピード感がある」「国民に対して、言うべき事は言う」ということが評価されていることの証拠だ。それらは、ちょうど、批判されることの裏返しでもある。
龍馬は言っている。「志を高く持て」「覚悟を決めよ」「生命を捨てる気さえあれば面白いもの」と。今の政治は何も決められない状況に陥っている。極めて重要な外交・防衛に関しても、まったく心もとなく、危機感が募るばかりだ。
ともに、「頼りない、情けない与野党」の現状を見るにつけ、「大阪維新の会」の出現は、既成政党に対して一種のショック療法を与えたようなもので、その存在意義は大きい。橋下氏が平成の龍馬になれるかどうかは、これからの活動いかんにかかっているが、龍馬がそうであったように、「政治的なしたたかさ」を持ち、「人を動かす力」があると感じさせる橋下氏には、その可能性ありと見るが、どうであろうか?
この政治塾で人材を養成、発掘して次期衆院選で国政進出を果たそうというのだ。ところで、「維新の会」が目指すものは何なのか。今の段階は、まだ確定したものではないというが、「維新八策」として世に出回っている。その目的は、次のようなものだ。
〈維新八策の目的〉
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
・日本の一人勝ちの時代は終わった
・今の日本のレベルを維持するには国民総努力が必要
・国全体でのオペレーションから個々の創意工夫による活性化
上記の基本的な考えに沿って、各論が出されているが、原案の段階だというので、ここでは省略する。
この「維新八策」は、言うまでもなく、1867年6月(暗殺される5か月前)、坂本龍馬が後藤象二郎らと長崎から上京する際、土佐藩の藩船「夕顔丸」の船中でまとめた「船中八策」に倣ったものだ。(実際に文章化したのは、海援隊書記・長岡謙吉である)これは、新生日本の国家体制について書かれたもので、後に五箇条の五誓文の原案になったと言われている。
これを、後藤象二郎が土佐藩主・山内容堂に上申したことから、将軍・徳川慶喜が大政奉還を決心するきっかけとなったものだ。
<船中八策>
・天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事。
・上下議政局を設け、議員を置きて、万機を参賛せしめ、万機よろしく公議に決すべき事。
・有材の公卿諸侯および天下の人材を顧問に備え、官爵を賜ひ、よろしくし従来有名無実の官を除く べき事。
・外国の交際広く公議を採り、新たに至当の規約を立つべき事。
・古来の律令を折衷し、新たに無窮(むきゅう)の大典を選定すべき事。
・海軍よろしく拡張すべき事。
・御親兵を置き帝都を守護せしむべき事。
・金銀物貨(ママ)よろしく外国と平均の法を設くべき事。
<橋下徹は、平成の龍馬になれるか?>
既成政党は一部の政党を除き、ある程度の評価をしつつも概ね一定の距離を置いている。いずれ戦う相手となるのだから当然のことだ。政治学者や評論家などの中にも、「具体性がない」「劇場型政治は危ない」「独裁政治やポピュリズム現象の危険性あり」などと批判している。確かに、現段階では、具体性を欠いていることは、その通りかもしれない。だが、リーダーとしての資質を見た場合、発信力の強さは誰しもが認めるだろう。それは、「分かりやい」「政治姿勢に覚悟を感じる」「スピード感がある」「国民に対して、言うべき事は言う」ということが評価されていることの証拠だ。それらは、ちょうど、批判されることの裏返しでもある。
龍馬は言っている。「志を高く持て」「覚悟を決めよ」「生命を捨てる気さえあれば面白いもの」と。今の政治は何も決められない状況に陥っている。極めて重要な外交・防衛に関しても、まったく心もとなく、危機感が募るばかりだ。
ともに、「頼りない、情けない与野党」の現状を見るにつけ、「大阪維新の会」の出現は、既成政党に対して一種のショック療法を与えたようなもので、その存在意義は大きい。橋下氏が平成の龍馬になれるかどうかは、これからの活動いかんにかかっているが、龍馬がそうであったように、「政治的なしたたかさ」を持ち、「人を動かす力」があると感じさせる橋下氏には、その可能性ありと見るが、どうであろうか?