北の旅人

旅行や、ちょっといい話などを。そして、時には言いたいことを、ひとこと。

小沢一郎氏の控訴は当然だ!

2012-05-10 20:02:39 | Weblog

          

民主党元代表小沢一郎被告を政治資金規正法違反罪で強制起訴した検察官役の指定弁護士が、無罪とした東京地裁判決を不服として控訴した。今までの経緯を見れば、限りなくグレーに近い判決であり、当然控訴すべきだ。

これに対して小沢氏は次のようにコメントしている。

「先日の無罪判決の内容を見る限り、控訴審でこれが覆ることは想定しにくく、控訴は理解に苦しむ。弁護団と協議し、早期に控訴棄却もしくは無罪という結論が得られるよう、万全の対応を取りたい」

また、小沢グループの「新しい政策研究会」は、「いたずらに裁判を長引かせ、小沢議員の政治活動を妨害しようとするものであり、到底許されない。明らかに政治弾圧だ」という抗議声明を出した。見当違いも甚だしい。

小沢氏本人や小沢グループの議員が、何と言おうと、これは控訴して当然の事案である。東京地裁判決では、指定弁護士が指摘した元秘書たちによる収支報告書の虚偽記入、小沢氏と元秘書の間の記載についての報告・了承も認めている。ただ、小沢氏に違法性の認識があったとの証拠が足りないということで無罪としたものだ。ここの判断が、全くおかしいのだ。裁判所が逃げたとしか思えない。

違法性を認識していたかどうかということよりも、虚偽の記入や元秘書の報告を受け了承したことは、結果として違法なのだ。しかも、小沢氏は、政治資金規正法においては、監督責任があるにもかかわらず、全部秘書に任せていたというが、それ自体、責任を放棄しているのであって、違法性を認識していたかどうかという極めてあいまいな判断に持ち込むべきではないのだ。

東京地裁の判決が出る前にも書いたが、小沢氏が有罪無罪にかかわらず、もう小沢氏の時代ではないのだ。小沢グループと称する面々は、「今の日本には小沢氏のような強力なリーダーが必要だ」と声高に叫ぶが、本心からそう言っている議員が何人いるのだろうか。特に、小沢チルドレンと言われる連中は、とにかく今の民主党では選挙が厳しいことは目に見えているから、小沢氏頼みなのだ。消費税値上げ問題も一見、国民のためにという大義名分だが、自分の選挙のためとしか思えない。なぜ反対なのか、明確な理由が伝わってこないからだ。小沢氏にしても、「国民との約束した原点に戻るべきだ」と繰り返して言うが、全く説得力に欠ける。

要は、民主党内における勢力を拡大し、自分の影響力を強めたいというのが見え見えだ。そのためには「数」を増やすことが最大の目的だ。それを可能にするためには、「金」が必要となる。子分を養い、選挙時には選挙資金として配るからだ。小沢氏の金力は、この裁判でも問題になっているように、政党の解散時におけるお金の流れなども極めて不透明であると指摘されてきた。

こうした政治家をリーダーとしたグループが、絶えず野党のような存在で異議を唱えている状況は、どうみてもおかしい。(党内論議はあってもいいが)民主党自体も、すでに政党の体をなしていない。9日の党員資格停止処分解除も、「判決が確定するまで」という党内決定を無視し、解除の日付は控訴期限の10日にするという、全く分かりづらいものだ。あくまでも、党内融和という身内の論理だけだ。

小沢氏は、国会での説明を求められて、「今は裁判中だから」といって逃げてきた。しかし、「やましいことは一点の曇りもない」と強弁するなら、国会でもきちんと説明すべきだ。秘書が3人も逮捕されており、政治的、道義的な責任は当然あるのだから。小沢氏が無罪判決を受けた後、元秘書の石川議員は雑誌の対談で、「自分は無罪判決を得たけれども、みんなの苦労は決して忘れないから」ぐらいの労いの言葉はあってほしかったですね。~」と語っている。それが本音だろう。

日本の政治家の劣化が言われて久しいが、国内には東日本の大震災の復旧・復興問題をはじめとする難問が山積しており、外交・防衛の面でも日本は厳しい立場に直面している。「政権交代」の結果は、見ての通りだ。そう遠くない時期に行われるであろう選挙で、国民が賢明な選択を行うことを信じたい。



最新の画像もっと見る