菅総理の記者会見などでの発言には、驚かされることが度々だ。
昨日は、コロナ禍の現状について「明かりがハッキリ見えている」と語り、
感染対策の専門家さえ、言いすぎだと厳しい言葉を投げかけた。
政府に助言する専門家たちも「リーダーの言葉が国民に届いていない」と指摘している。
今や、自宅療養中の患者が亡くなるという痛ましいケースが相次いでおり、
緊急事態宣言21都道府県、重点措置12県と合わせると、
約7割の都道府県に拡大しているというに、
どうして、そんな言葉が出てくるのだろうか。不思議だ。
東京オリンピック・パラリンピック開催が危ぶまれていた頃、
菅総理は「人類がコロナに打ち勝った証として開催したい」
と語っていたが、何を根拠に言っていたのだろうか。
日本の現状を見ただけでも、如何にお粗末な発言だったかが分かる。
新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーも
「成果のアピールをやったら、危機感が通じない。我々が首相に求めたいのは、
自らの至らなさに真摯に向き合い、国民の皆さんに協力してほしいという姿勢だ」
と忠告しているほどだ。
コロナ対策の成果を強調したいのは、明らかに「総裁選」を意識した発言だろう。
記者への答え方も、「これまでも、国民の安心安全を最優先にと言っている」
と、抽象的な答えに終始することが多いが、
自民党の総裁選に関しても、「出馬するのか?」と記者に聞かれ、
やはり、「総裁選が行われれば出馬すると言ってきた」
と、その口調は、何回も同じ事を聞くなと言わんばかりの対応だ。
自民党の総裁選の日程が決まったが、
党内における派閥力学やポストの争奪戦だけで
一国のリーダーが選ばれるなら、実に情けない。
危機の時代の真っ只中にいる今こそ、
国民と心を同じくするトップリーダーを待望する!!