やおら の語義については、>1 静かに身を動かすさま、また、徐々に事を行なうさまを表わす語。そろそろと。おもむろに。やわら。現代では悠然としたさまをいうことが多い。2 時間の経過とともに変化、進展し、ようやくその状態になるさま、事態が変わるさまを表わす語。 日本国語大辞典より と見える。 . . . 本文を読む
芥川賞作品、第154回受賞 死んでいない者 を読んだ。葬儀に集う親族の通夜を描いている。死んでいないものが誰で、死んだものが誰か、遺族と故人に、この語りをするものは誰なのか。その死に同居したもが作者を重ねあわせられるような作品である。読んで文体の特徴に気づく。芥川作品の饒舌体の文章である。そこには文章上の区切り符号が用いられていない。正確には句読点のみである。この技法は新奇なものか。いま、このブログの文章に、筆者は句読点のみ、それを書き続けてきている。同じような文体を作り出している作者は、ほかの文章においてどうなのだろうかと、興味を抱く。 >滝口悠生さんは1982年、東京都八丈町生まれ。2011年に『楽器』で第43回新潮新人賞小説部門を受賞し、デビュー。2014年には『寝相』で第36回野間文芸新人賞候補となり、2015年は『愛と人生』で第28回三島由紀夫賞候補、第37回野間文芸新人賞を受賞。同年、『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』が第153回芥川龍之介賞候補となっている。 . . . 本文を読む
ゆるんだ寒さが気をしめる。春の季語である。青空が広がって澄み渡る。春らしからぬ空である。ふと、さえかえると思ってしまった。しかしこれは、あたらない。まぶしいほどの日差しが出て、気温があがる。もう少し寒さが強い気候だから、2月だろうかと、いうところで、三寒四温の語を思い出した。これまた、2月あるいはそれより以前のころの語である。語感のずれはわたしにあるが、冴え返るのは、気候だけでなく、さまざま用いるので、あたまの働きの冴え返りがないのはいかんともしがたいか。えっ、この青空のもと、きょうの気温は真冬並みですか、冴え返っているんですか・・・ . . . 本文を読む