語彙論は1980年代に、1980年、国語学大辞典 東京堂 が、学会の編集で刊行されて、その中項目の説明が一般辞書にも展開する。巨視的に見れば、その辞典類では1977年、国語学研究事典 明治書院、また、2014年、日本語大事典 朝倉書店と詳しくなった項目解説をみる。それぞれの辞典に成果を見るが、さかのぼって、国語学辞典の説明から大きく変わることがわかる。語彙の研究に統計処理が行われるようになったことである。計算言語学、それは計量国語学として盛んになり、計算機を使った言語研究は情報処理に進展があったために言語量の集合を扱うようになる。語彙調査の歴史をその課題とともに述べた講演はその展開をさらに、書き言葉コーパスの研究にシフトしたことを明らかにしている。国立国語研究所の語彙調査の歴史と課題 - 東京大学|大学院教育学研究 ... www.p.u-tokyo.ac.jp/sokutei/pdf/vol06/p168-186.pdf 昭和の語彙調査 http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/archive.html 現代日本語書き言葉均衡コーパス http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/bccwj/freq-list.html
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ノーベル賞の話題の、トリとなる文学賞に発表があった。科学の部門で日本人の3年連続の受賞に対して、文学賞は候補と騒ぐ作家の選が報じられない。落胆のファンが映る。川端、大江に次ぐ3人目はだれか、ということなのだが、1968年の川端康成と1994年の大江健三郎から、20年以上経過して、噂を呼ぶところである。受賞理由には何らかの特徴が述べられる。音楽についていえば、歌詞が文学になるか、という意見になるだろう。それを考えれば、日本の伝統には短詩による文学の歴史がある。文学そのものを韻文を含めてとらえれば、それは作品としての価値ともなる。いわば、フォークソングである。そこに音楽を添えて、影響を与えてきたのだが、アメリカの歌の伝統にあらたな詩的表現を生み出したと伝える。文学の作業は、古き革衣に、新しき酒を入れることにあるが、それでは聖書のたとえで、誰も新しき葡萄酒を、ふるき革嚢に入るることは爲じ、となってしまうが、さて日本文学ではその形式を絶えず確信してきている。あの、1Q84という作品はどう評価されたのだろう。 . . . 本文を読む