水戸では土蔵があまり多くないようで、かわって石蔵が目立ちます。その少ない土蔵の中で、たまに、なまこ壁を見ることがあります。今回はそのいくつかです。土蔵は雨と火事に強くなければなりませんので、特に下側は、表面に瓦を並べ、その継ぎ目に厚く漆喰(しっくい)を盛り上げて塗るという、なまこ壁という手法がとられたようです。こうして見ると、水戸では瓦は斜めにはり、漆喰は白くするのが一般的のようです。なまこ壁の「なまこ」という言葉は、盛り上げて塗る漆喰の形が海鼠(なまこ)に似ているのでつけられたようです。
旧法宝蔵(六地蔵寺 六反田町767)
恵範(えはん)が集めた仏典を、後世の徳川光圀が保存するためにつくった蔵のようです。現在は、新法宝蔵がつくられていて、中身は移されているいるようですが、かつての蔵の雰囲気は残されているようです。
中崎家住宅(鯉淵町2897)
中世以来この地に住んだ地侍で、その後農家になった中崎氏の館は、現在、国の重要文化財になっていますが、周囲に堀があるので、今でも堀の内という屋号でよばれているそうです。その家にある土蔵のなまこ壁です。
堀町
写真では見えませんが、屋根のてっぺんなど、装飾的につくられた土蔵のようです。
全隈(またくま)町
この蔵は、漆喰が装飾的にもられていて、なかなか見ごたえがあります。
五平町
柱ごとに狭くなまこ壁がつくられています。
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