前回、方形造りのお堂では、不動、薬師、地蔵がほとんどと書きましたが、観音堂もあるようですし、八卦堂のような建物もあるようです。
下市不動尊(浜田2 36°22'02.3"N 140°29'57.8"E)
利生山金剛院薩埵(さった)寺というお寺だったそうです。山号を刻んだ額の字は、常照寺開山の敬峰が書いたそうです。今は小さな方形造りの不動堂があるだけようです。
薬師山霊園(大場町 36°19'43.5"N 140°31'02.6"E)
別所山崎共同墓地(常澄村史)に平成1年に建てられたお堂のようです。堂前の焼香盤の大きさにびっくりしました。墓地入口の表示は薬師山霊園となっていました。
八卦堂(三の丸1-6)
陰陽五行説では、はじめ陰陽2つの気が生まれ、それが4つに分かれて東西南北や春夏秋冬といった4象となり、それがさらに分かれて8つの形を作ったそうで、それが八卦だそうです。八卦は万物変化の相を示し、徳川斉昭はその八卦(八角堂)の中に、不動の「弘道」碑(弘道館記碑)を配したのだそうです。
定善寺(酒門町363)
浄土真宗のお寺で、本尊は阿弥陀如来の立像だそうです。その境内、本堂に向かって左にある観音堂が方形造りです。金文字で観世音と書かれた額がかかっています。
円通寺(千波町1227)
円通寺は、鎌倉末期、元亨3年(1323)に今の東照宮あたりに建立された弥富寺(みぶじ)がもとで、今に至ったお寺だそうです。境内に施無畏(せむい)という額が掲げてある方形造りのお堂があります。施無畏は、仏がてのひらを相手に向けた、衆生のおそれの心を取り除いて救うという意味のようですが、観音菩薩の異名でもあるそうです。ですからこのお堂は観音堂のようですが、そもそも円通が中国で観音のことだそうです。