Sydney Yajima


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社会主義になっていく世界

2009-02-17 19:12:31 | 世界情勢
社会主義になっていく世界

多くの銀行が、国有化される動きにある。イギリスでは、LLOYDSとスコットランド 銀行が国有化にむけて、動き始めている。(参照

まだ紆余曲折があり、簡単にはことが進まないけれど、(参照)ほぼ、国有化が決まりのようで、これで歴史のある銀行が、世界に先駆けて国有化されることになった。

この動きは、今後活発に、世界中に波及するはずで、イギリスは世界に先駆けてひとつのケースを作ったと、評価されている。もしこれが、今後のトレンドになるのであれば、私は多くいの問題が内在すると思う。

問題の一つ目は、透明性だ。

昨日書いた続きになるが、社会主義化していく世界は、多くの保護主義の復活を伴うかもしれない。社会主義化される理由には、たとえばメリルリンチの不透明なボーナスの支払いのように、(参照)多くの、倫理的な問題を 常に抱えている。
ボーナスというものは、当然のことながら、ある期間の仕事に対しての評価として、褒賞をかねて与えられるものだ。
だが、メリルリンチに関しては、パフォーマンスが悪く、その結果、バンク オブ アメリカに身売りすることを決定し、その身売りの間際に、幹部たちが、駆け込み乗車のごとく、自分たちに多くのボーナスを支払ったのである。その金額は14人に10ミリオンダラー(日本円で、10億円平均以上) 支払われたと ある。さまざまに言い訳をしながら、通常よりも少ないボーナスだとか、言っているが、実際には損失を出した会社に、税金を間接的に投入し、その金を自分たちで好きに 取るというものだ。
税金はアメリカの国民が、失業と借金の恐怖におびえながら支払っているものだから、当然、国民の怒りは揮発性のオイルに火をつけるように、爆発する。

社会主義化される過程で、国有化される銀行に、ぎりぎりのタイミングで行われる不正と、国有化された後に、国側の人間が不正を行うであろうことなどを、考えると、結局は腐敗した社会では、たとえ社会主義になっても、物事は良くならないのでは、ないだろうか・・自由競争のリスクをとりながら、資本主義のルールで切磋琢磨してきた、今までのやりかたのほうが、拝金主義であるそしりを受けるとしても、まだ、競争原理という根本が揺るがない限り、社会の健全性は、ある程度 保たれるのではないか? と思われる。


大恐慌のときに、何が起こったのか?そして、当面我々が直面する問題は、何だろうか?

2009-02-17 05:58:36 | 世界情勢
大恐慌のときに、何が起こったのか?そして、当面我々が直面する問題は、何だろうか?

100年来の景気後退だと言われている。それは、1928年の大恐慌に匹敵するか、あるいはそれよりも、もっと悪いものになるのではないか?とまで、言われている。

一体、何が原因で、こうなったのだろうか?そして、世界中にあったお金は、どこへ行ってしまったのだろう?

20世紀後半、世界は急速に グローバライぜーションに走り始めた。グローバライゼーションとは、各国に分かれている金融や物流のシステムを再構築してより効率よく、運用することを目指して始まった動きである。無論、言うまでもないことだが、これはアメリカを中心に始められた動きであり、ヨーロッパもこれに連動 もしくは追従する形で、ユーロの導入などを次々と決めて、実行した。

だが、しかし・・・

グローバライゼーションは、いま 危機に瀕している。(参照)
世界に垣根をなくす。自由な貿易を推し進めて、より 効率よくしよう・・・と、唱えていたご本尊の アメリカが、“BUY AMERICAN”を、打ち出したわけだ。オバマ大統領は、この政策を決して 好んではいないと言っている。・・・にもかかわらず、それは 保守的な圧力によって打ち出されたのである。(参照

今の時代を端的に表すならば、例えば、フランスでは100万人以上の人々が仕事がない  給料が安すぎると、デモ行進を今年 2009年の1月29日に行い、(参照)イギリスの労働組合は、“イギリスの仕事は、イギリス人に”というスローガンを打ち出して、ストライキを行い、ギリシャでは、警察が催涙ガスを使うまでに暴徒化した。

銀行が破綻しそうになると、国はこれを国有化して、壊れた機械に包装紙でもかぶせるかのような方法で 誤魔化そうとしている。果たして、銀行を国有化するべきなのか?という基本的ともいえる、根本の議論さえなされることもなく・・・だ。ただ、言える事は、“いま何とかしなければ、もっと大変なことになる”という言葉が、妙に説得力を持って米国の議会を押し切っていっているということだろう。(参照

確かに、今は緊急事態なのかもしれない。
だが、これは、大きな問題を含んでは いないだろうか?

もしかすると、この一連の銀行を助けるという動きは、一部のパッチワークのようなもので 大きな穴の開いた船底に板切れを張っても、大量に押し寄せる水圧を受け止めることはできないどころか、より 問題を複雑に、・・・つまり 解決できないところまで・・・船が真っ二つに割れて沈んでしまう タイタニックのような愚かな誤りを しているのではないか?ということを、誰も、指摘する空気さえないことだ。
経済という大蛇が、恐怖と貪欲の両方の剣の上を這いながら進んでいく限り、それは、常にどちらかに傾き、場合によっては 人々を迷わせ、極端な行動に走らせる・・・

私の懸念は、まさにここで、最初は、自国製品を買おうという運動から、次には外国製品を締め出そうという動きになり、続いて、さまざまな 嘘やでまかせが、政治に蔓延することで、政治家が自らの責任逃れをするようになる。これがやがて、ヒトラーのような強いリーダーシップを求めるきっかけになり、そこに、ある種の恍惚としたナショナリズムの快感が伴うと、人種差別、排他主義の台頭となるのではないか?そして、その続きは おそらくは、戦争・・・それも 取り返しのつかない愚かな 核戦争などに発展しかねないのである。

悪魔はどの人の心にも潜んでいる。あなたは特別な存在だと、もしかしたら 自分自身についてよく知らないまま 自惚れているかもしれないが、実際には、恐ろしいことでも、割と平気な表情で やってしまう二面性を秘めているのである。

世界は、今ほど恐々としてアメリカの動きを見守っていることは、かつてなかっただろうと思われる。・・・そう、アメリカはこれから、どうするつもりなのか? と。

最近の動きで言えば、アメリカの新しい財務長官は、「中国が世界の為替を不当に操作している」と言い放ち、多くのアメリカの自動車メーカーのロビイストの支持をえているということだ。(参照

ダボでの会議では、プロテクショニズム・・・保護主義について、話し合われた。世界は保護貿易 保護金融の台頭に面しているというのだ。

危険水域が近づくと、一番初めに逃げるのは、銀行である。銀行は、危ない投資先からは、一気に資金を引き上げようとする。例えばロシアやウクライナの小さな銀行はその資金のほとんどを海外からの融資でまかなっていたために、一番初めに干上がってしまった。今、バンクオブアメリカも、ロイヤル バンク オブ スコットランドも、また、他のさまざまな金融機関も、一斉に中国から資金を引き上げようとしているか、すでに 引き上げてしまっている。

つまり、保護貿易主義が行き着くところは、自国の不具合によって生じた問題を、すべて他の国に責任転嫁しただけでなく、次には 自分以外の国の経済を滅茶苦茶にしてでも、自国の生存を優先するという政策に 他ならないのではないだろうか?(参照

最初は効率よく行う、口当たりのいいグローバライゼーションという世界共通語を作りあげて、それが行き着くところは、保護主義となり、一気に小国のちょっと台頭してきた国の経済を根絶やしにしていく。という・・・なんとも恐ろしい絵が ここで、描けてしまうのである。

果たして、その絵を一体誰が、何の目的で描き、やがて、その絵の先にはどんな世界が待っているだろうか?

徐々に このブログを通じて、種明かしをしていこうと思う。