Sydney Yajima


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リオティント と中国

2009-02-20 00:36:57 | オーストラリア株式
リオティント と中国

中国がリオに投資を 持ち掛けてきている。金額は 19.5ビリオンダラーにものぼる。(参照
リオにとっては、いい話だと考えているが、ここで、もしオーストラリアの基軸である鉄鉱石と石炭の権限を中国に支配されたら、オーストラリアはどうなるのか?という疑問が残る。

この疑問には、オーストラリア人の国家意識と深くつながっており、中国の株式買収を、ケビン ラッド首相も何度も、「オーストラリアの国益を守る」という表現で、釘をさしてきた経歴がある。(参照

実際、中国は、様々な人材を送り込んできては、オーストラリアの資源株を買い叩いて、会社の乗っ取りを行い、安く資源を買えるための手を、それこそ なりふり構わず行っている。たくさんの資金と、そして強力な北京の後押し、さらには、現地にいる華僑の協力と、人材から資金力まで整っている点、日本は、遠く及ばない。さらに、彼らはかなりアグレッシブに また速いスピードで食い込んでくる。引くときも、また早い。

オーストラリアは、我々のルールでゲームをしろと言って引かないのだが、中国にそれを聞く耳があるかどうかは、大いに疑問だ。

中国には2トリリオン!!!の外貨準備高があり、いまやIMFに注文を出すほどだ。いわく、「西側諸国は、対応が弱すぎる」と言い放った。だが西側諸国から見れば、中国はトップダウンの国。中央集権で、すべての権限が、中央に集結されている。うまくいくときはとても強い力を持っているかもしれないが、もし間違えば、もろいという反面もあるはずだ。デリバティブなどの高等な資産運用なども少しの幅でしか できないし、まだまだ原始的なシステムしか持っていない。・・・とコケおろす。
そのくせ・・・
さらに中国の輸出は 世界的な不況の影響をこうむって、かなり落ち込むはずだ。今後、中国が発展するためには、世界の今の状況を、助けることこそが、一番効果があるやりかただと言う。(参照

中国は、自分の国のことの発展しか 考えていないはず。

極端に 言えば、外国が転ぼうと、死のうと、その国が支払いを滞らなければ それでいい。中国にはまだ10億以上の人口がおり、彼らこそが、需要の塊で、そして消費の原動力だ。彼らは貪欲に、すべての西側諸国のようなものを持ち、富を味わいたい。そのためには、何だってする。という人間の集まりなのだ。だから、内需を拡大すれば、景気はいくらでも刺激できる。と、考えていても不思議は無い。事実、中国ではコーヒーの需要が大幅に伸びてきている。(参照

これは、西側のライフスタイルを、どんどんと取り入れてきた結果だ。コーヒーはそれこそ、欧米のスタイルの象徴だと言えるし、日本も、高度成長期には、あちこちに喫茶店ができていたのを覚えているだろうか?どこか外国の町に紛れ込んだような喫茶店に、かわいらしい店員さんがいれば、その店はいつも学生でごったがえしてた1970年代の風景。
だが、数字を見る限り、中国の需要も 確実に減ってきているのが分かる。(参照) 銅の輸入は18%以上減っているということだけでも、わかることは、このありとあらゆる製造の基幹になる金属の消費がなくなってきている・・・つまり、製造そのものに、輸出減とともに、かげりが出てきていると 思われる。

ここで、中国の内需が広がりを見せることが、次の脱出の鍵になるかどうかだ。もし、そうなると仮定し、その試みが、なにがしかの紆余曲折を経たとしても、成功した暁には、世界の地図は、アメリカから中国へと大きく移転していくということになる。

これは、ちょっと聞くと、とんでもない奇想天外な話になるかもしれないが、具体的に個人に置き換えてみれば、あなたの子供たちに英会話を習わせるより、中国語を習わせたほうが、将来のスキルとキャリアにもっと役に立つと、あなたは 本気で 思えるだろうか?

数字だけで判断すると、間違いなく、中国の成長は、すさまじいものがある。
参照)これだけみれば、勝ち組は これからずっと、中国ということになる。今年には二桁の伸びは難しいという。たった、6.8%程度の成長しか見込まれないというが、私に言わせれば、なんとまだ6.8%も伸びるのか?と見えるほどだ。

リオティントを買収あるいは乗っ取りをしかけ、さらにはBHP、もっと様々なオーストラリアの鉱山会社をのっとる計画を、さまざまな方法で仕掛けてきているとしたら、日本は、今までのままのやりかた・・・JOGMEC (参照)の、とてもソフトなやり方で、果たして今後も資源を確保しつづけることが、できるのだろうか?
オーストラリアは おおむね、(捕鯨問題を除いては・・・・)日本に好意的であった。だが、ここにきて、中国側と日本側のどちらが、より我々にとって脅威なのか、味方なのかという意見になりつつある。だが、よく考察してみると、日本と 中国が手を携えてこられると、一番困るのは、実はオーストラリアや アメリカであるのかもしれず、この二つの国がいつも ライバル意識か、敵対心を持ち続けてくれたほうが、ずっと都合よく、コントロールできると考えていても、不思議は無い。(参照

ここで 西側諸国は、なるべく、日本と中国、また韓国などの、お互いを敵対心をあおる方向で反目させて、漁夫の利を得るという策を練っているのではないだろうか ? と、思われない節もなくはない。たとえば、クリントンの日本訪問から、最後には中国訪問となるが、そこには意図的な意思が裏側には働いているようには思えないだろうか?。(参照
ここで、日本と中国が反目しあうことが、果たして、お互いの国にとって利益になるかどうかは、明白で、決して隣同士の国が、反目しあって発展した試しは無く、それは中東のイギリスの取った政策も、アメリカの現在取っている政策も、みなひとつのラインでつながって見える。
つまり、アラブ社会は、うまい具合に宗教と政治とお互いの憎しみで、ズタズタにされてしまっている。(参照

日本がスーパーパワーとなって、世界に君臨するのか?という論調もきいたことがあるが、すでに、アジアの中だけでも イニシアチブを失いかけてきている日本にとっては そういう野望を抱くこと自体、不幸になる可能性だってある。だが一方、仮に、中国が主導権をとったら、もっと不幸になる可能性だってある。次のスーパーパワーが、誰になるのか? 大衆の意見は おおむね、中国に偏っている。中国株式会社・・・、それはひとつになって大きなエネルギーを北京中央集権で 世界に押し出してくるというのがほとんどのシナリオだ。(参照)そして、もしアメリカが中国と仲良くさせすれば、世界の平和はおおむね保たれるだろうという。つまり、ここに、大陸のハザマに生きる日本の価値は 無視された形になっているわけだ。

オーストラリアの鉱山を買収する中国株式会社には、そういう遠い意図もあることを、見た上で、日本人はどう生きていくべきなのかを、考える時期にきているかもしれない。