シャンペーンタワーという経済理論がある。(正確にはトリクルダウン理論と言うが、この際それはどうでもいいこととする)
積み上げられたシャンペーンの一番上から注ぐシャンペーンが、満たされたグラスからあふれ出し、次々と下部のグラスへと移り最下部まで届くというものだ。
富裕層が富めば、下部も潤うというものだ。
だが、現実にはなかなか理論通りにはならないケースがよくある。
上部のシャンペーングラスが大きすぎると溢れることは無いので、最下層までうまく行きわたらないというものだ。
さて、現在の社会では、1990年代からコンピューターが人々の仕事を奪い、企業は多くの人を雇う必要もなくなり、そのために、給与は下がりまた、中国の台頭なども相まって、デフレなどが起こってしまった。
なぜ、中国の台頭がデフレにつながるのか?
それは、人件費の安い国と高い国の均衡を”物”という媒体で取るために、(要するに貿易)、より価格の安いものが売れ、高いものは、少々品質が劣っていても使える程度のものであれば、消費者は安いものに流れてしまうということを繰り返したがために、日本の中小企業の製造などは閉鎖に追い込まれてしまったか 安い給料に下げられてしまったからである。
所得が下がれば、デフレになる。
このコンピューターの発展と中国というダブルパンチが日本の失われた20年を作ったと言っても過言ではない。
さて、新しい脅威が始まった。
それは今までの流れの中で、AIという怪物が生まれてきたことによる。
AIはロボットと手を組み、今度は、一切人間を必要としない製造業を実現しようとしている。
多くの人々は職を失い、企業は、24時間賃上げ要求をしないAIロボットによって潤うことになるかもしれない。
かもしれない・・・というのは、消費者が居なくなってしまう為に、企業が健全な販売促進を行えるかどうかが分からないという意味である。
私は、最低収入保障を政府が打ち出し、消費者を国が作るという政策が必要になるだろうと思っている。
スイスなどではそういう制度をすでに入れ始めているが、しかし、日本では生活保障はあるが、一歩進んで、先の制度を考える時に来たのではないか?と思っているわけだ。
しかし、政府も打ち出の小づちがあるわけではないので、TAX レベニューを作らなければならない。
それには、最近 ビルゲイツが提唱する ロボット税というものに魅力を感じざるを得ないだろう。
AIに税金をかけるというのは、馬鹿らしいように思えるかもしれないが、しかし、人間一人の仕事をとってかわるのだから、その人間が納めたであろうはずの税金をロボットが代わりに支払うというのは、実に合理的であると思うのだ。