地震から十日。
少しずつお稽古の方も見えるようになりました。
出席率はまだ五割くらいです。
ガソリンが調達できた方
自転車で来られる方
歩いてこられる方・・・・
皆さんとはお稽古を始める前に、
まずはきまって地震の時の話でひとしきり・・ですが。
ところで地震が起きる前の話ですが。
お稽古場の畳がだいぶ傷んできたので、去年の秋ごろからずっと気になっていました。
「そろそろ畳替えをしようかしら」そんな風に言うと、皆さん首を振って、
「あまりきれいになると、安心してお湯がこぼせません~」と。
その気持ちもわかりますがね。何時までも安心されても困るのですよ。
そんなことを言いながらも、毎日気にしていたのですが、
ふと、「そうだ畳の場所を入れ替えてみようかな」と思いつきました。
何しろ点前座の畳が一番ひどく傷んでいます。
皆さんのおみ足やお膝でスリスリしますから、擦り切れてしまっていますし、
お湯屋お茶もたくさんしみていますし、とても目立つのです。
でも和室の畳はどことでも取り替えられるわけではないのですね。
ちゃんと収まる場所が決まっているようで。
とくにマンシュンなどは、正しい六畳になっていないのでしようか、
畳の大きさがすべて同じではない。
そこで絶対に納まる二枚をみつけましたよ。
踏み込み畳と点前畳です。
お稽古中にそんな話をすると、
居合わせた皆さんが、「では人手のある今やってしまいましょうよ。」
善は急げとたちまち交換作業に取り掛かってしまいました。
女でも四人いればあっという間に入れ替え終了す。
「有難うございます」と願いどおり点前座がきれいになりました。
まあ・・汚いところが目だたないところに移動しただけですが、
でもそれだけでちょっと気分が変わりましたよ。
被災して、家が流された方達を思えば、
畳の擦り切れくらいもう少し我慢しましょう。