桜協奏曲( 狂想曲)の後は、
そそとした都忘れが、浮かれた熱を冷ましてくれるようです。
都忘れの花を見ると、
なぜか決まって、「忘れな草(勿忘草)」を思い出します。
こんな歌がありましたね。
「別れても別れても 心の奥に
いつまでも いつまでも憶えておいて ほしいから
幸せ祈る 言葉にかえて忘れな草を あなたに あなたに」
もうだいぶ古い歌ですが。
でも最近は「忘れな草」より「忘れ草」を思い浮かべるようになりました。
この花は、身に着けていると辛いことも忘れられるという。
甘草( ゆうすげ)の種類で
古い和歌にもしばしば歌われているようです。
わすれ草我が身につまんと思ひしは人の心におふるなりけり
(小野小町)
見し人はかれがれになる東屋にしげりのみするわすれ草かな
(建礼門院右京大夫集)
若いころは「わすれないでね」もロマンチックでしたが、
この頃は忘れてもらったほうがありがたいこともありますね。
自分にはどちらがほしいかといわれたら、
もう「物忘れ草」になり下がっている私ですからねえ~
可憐な「都忘れ」を眺められれば幸せです。