明日からの炉の稽古に備えて、
昨日は善哉用の小豆を煮たり、炉の蓋を開けたり、
今日は朝から道具の入れ替えなどしたりして、準備を終えました。
そして午後から、「建礼門院右京大夫集」の講座に。
今日覚えた、どこかで使ってみたい言葉が一つ。
右京大夫が、恋人の平資盛の死を知った時の気持ちを記した文。
「・・・・みなかねて思いしことなれど、ただほれぼれとのみおぼゆ」
このほれぼれとは、ここでは、
「心がどこかへ行ってしまって、呆然とする」というような意味だとか。
悲しみのあまりですね。
これはどこかで使わねばと思いませんか。
そう思っていたら、友人が、
「先日ご招待されたお茶会の会記よ」と。
素晴らしいお茶会だったと聞いていたので、興味津々で開いてみると、
目もくらむようなお道具ばかり。
会場は金沢の兼六園
みれば席主は美術館の理事長さんでした。
待合の床には酒井抱一筆 菊四十雀
菓子席には良寛の「昨夜窓前風雨急」
本席の床 は本阿弥光悦。
利休の茶杓に長次郎の茶碗。
替が道入・・谷崎潤一郎や真田幸貫の名も
まだまだ続き、ため息無しでは読めません。
ただただ茫然として。
そこで思わず出ました!!
「ただほれぼれとのみおぼゆ」
悲しみのあまりではなく、驚きのあまりですが、
早速使えました。
さあいよいよ炉の季節です。