オーディの復活を目指した時に一番聞きたかったのは真空管の音色だった。真空管は独特の雰囲気を持っている。「暗くした部屋にほのかに灯る真空管の明かり、ストレートウイスキーを舐めながら聴くJAZZボーカル...」これが私の理想とする真空管の世界だ。
300Bや2A3等の銘球アンプは中古でも高価で手が届かないけれど比較的買いやすい価格帯のものを中古で買い集めた。
EL34(6CA7)プッシュプルのアンプは中国製のYAQIN、巨大なトランスで重量は20㎏近い。EL34が元気で力強くジャンルにこだわらないオールラウンドな音を聴かせる。低音が少しブーミーで音の色付けがある感じ。新品購入後、間もなく3番の球が立て続けに2回切れてしまった。交換後のバイアス調整でその後不具合は出ていないので故障ではなさそうだ。現在SUMTECHのSPセレクターでTechnics7(低域36㎝)につないでいる。
PCは富士通のLIFEBOOK、チューナーは35年前に購入したド派手なイルミのMarantz。現在でも問題なく機能している。
ターンテーブルはTechnicsのフルオート。実は会社の上司から使わないからと言って大量のレコードと一緒に頂いたもの、15年も前の事なのでこちらも使うはずもなく押入れにしまいこんでいた。数年前に整理で古いカセットデッキやCDPなどと一緒にハードオフに持ち込んだ。
ところがこのプレーヤーだけは回転が不安定なのでタダでも引き取れないとのこと。仕方なく持ち帰えり暫く放置していたが今回オーディオ復活に伴い、引っ張り出して分解してみた。盤面の通常のツマミでは確かに回転の調整がままならない、が、ターンテーブルを外すとそこにも調整ツマミがある、これを回すと回転が安定しだした。また、接触不良により音の途切れがあったので、配線箇所に接点復活剤を施して内部を清掃した。これらにより今ではすっかり蘇り、我が家のオーディの一員として活躍している。
カートリッジはDENONのDL103をYAQINのフォノイコ+ortfonの昇圧トランスを介してつないでいる。DL103は本体重量があるので、通常のウェイトではバランスが取れない。ネットで追加ウェイトを購入してアームに取り付けることでバランスをとることができた。ortfonの昇圧トランスも35年前に購入したもの、当時MICROのDD7にMC10をつないで聴いていた。今回PHONOを構築するに当たり、押入れを探して運よく見つけることができ、取り付けしたところちゃんと音が出た!
ただ出力が少し弱い感があるので今度はortfonのMC20を入手してみたい。シェルもortfonでこれは新品で購入、持ち手の部分が上へ湾曲しているため、ダストカバーを閉めると接触してしまう。最初そのことを知らずにオートリターンでアームがリフトアップした際に、ダストカバーに接触して針飛びによる大爆音!危うくカートリッジをダメにするところであった。
今は写真の通りゴムのダンパーを挟みカバーを浮かして使用している。
予備のカートリッジは30年前に購入したAudiotechnicaのMC、線の細い繊細な音がする。どちらかというとclassic向きか?
CDPはCECのエントリーモデル、安価な割にRCA、オプティカル、コアキシャルの他に高級機に限定されるバランスケーブルが接続可能な事とD/Aコンバーターの質が良いなど評価が高かったので中古で購入した。
2年ほど前ここのメーカーのプリメインアンプを2台所有していたが、1台はボリウムのガリがひどく、もう1台は中古で購入後半年で片チャンネルがイカれたので手放した。今は2台あるCDPは故障なく使えている。
中央奥は中国製の6P1のプッシュプル、ネットで新品を購入。プッシュプルなので音は力強い。SPセレクターで古いDIATONEのフロア型(低域30㎝)につないでいる。SPセレクターはBTL対応でも真空管は使えないとなっているが特に問題なく使えている。
アンプが増えすぎたのでRCAセレクターやSPセレクターをつなぎまくっている。RCAセレクターはLUXMAN、余計な接続物が多いと音が劣化するといわれているも、私の駄耳ではそれほど気にならないし、仕方ない事と割り切っている。
青色LEDが中華DAC。右のステン製は三栄無線のKT88(エレハモ)シングルで繊細なきれいな音がする。これは36年前に購入したONKYOのフロア型(低域31㎝)にSPセレクターでつないでいる。
左下の黒いカバー付はネットから新品で購入した台湾製の6V6シングル。200V仕様なのでステップアップトランスをかませている。コンデンサ、ボリュウム、トランスなど内部部品はオーディオグレードのものが使われているらしく、安価な真空管の割に結構良い音がする。これは6P1と対でDIATONEのフロア型(低域30㎝)に接続。
左がエレキット6L6GC(中国)シングル、右もエレキットKT88(サンバレー)シングル。6L6GCが三栄無線KT88と対でONKYOのフロア型に、エレキットKT88はサンスイのバスレフ型ブックシェルフ(低域21㎝)にそれぞれSPセレクターでつないでいる。
RCAケーブルはBELDEN8412がメイン、スピーカーケーブルはMonstercable、Audiotechnica、KANAREの低価格帯のものを主としている。