砂の中の旅の街
さらさらさらと頭上から
足下に砂が落ち続け
窟は初夏のオアシスの
緑の木立に囲まれ埋もれて
壊れやすい宝の小箱のように
忍び寄る砂漠の中に潜んでいた
壁画の線色は蒼く
時はしずかに澱み
訪れる人間の数を数えながら
仏陀は途方もない長い時を過ごされていた
緑したたる島で
紫陽花は青く揺れ
梅素麺を食せば
天山の山脈は南アルプスの褶曲と重なり
銀色の翼の下
乾大陸の夥しい先人の足跡の
故城の土塁も壁も伝説の
燃える赤い山も
止まらず積もる時間の中
しずかにアルバムの中に眠ってゆくだけだった
さらさらさらと頭上から
足下に砂が落ち続け
窟は初夏のオアシスの
緑の木立に囲まれ埋もれて
壊れやすい宝の小箱のように
忍び寄る砂漠の中に潜んでいた
壁画の線色は蒼く
時はしずかに澱み
訪れる人間の数を数えながら
仏陀は途方もない長い時を過ごされていた
緑したたる島で
紫陽花は青く揺れ
梅素麺を食せば
天山の山脈は南アルプスの褶曲と重なり
銀色の翼の下
乾大陸の夥しい先人の足跡の
故城の土塁も壁も伝説の
燃える赤い山も
止まらず積もる時間の中
しずかにアルバムの中に眠ってゆくだけだった