カーティスメイフィールドのサントラは持っていて大好きだけど、映画の方はこれまで見る機会が無かった。で、この間廉価版で1500円で売ってるのを発見。「こりゃ見ない訳にもいかなあ」と購入。
1972年の映画。いわゆるブラック・ムービーの走り?ヤクの売人のリーダー=結構リッチが、今の生活から抜け出すために手元の30万ドルを元手にヤク仕入れて裁いて100万ドルにして足を洗おうっつうストーリー。まあ、ある意味悩める成功者が、結局現状は自分の居場所では無いと考え、新たな人生に踏み出そうとするストーリーか。しかしながら「金よりももっと大事なものが・・・」的ストーリーにありがちな「お金なんてどーでも良いじゃない!!」っつう方向には流れず、やっぱ新天地でも先立つものは金なのである。
しかし、当時の100万ドルって言うと・・・3億6000万円!!調度同じ時代の日本の「3億円事件」を超える額である。まあ相棒と二人で山分けっつう設定だが、それでも1億8000万だよなあ。「これまでの30万の稼ぎを二人で割って、15万。一年は遊んで暮らせる・・・」と言うようなシーンがあるが、15万ドルって言ったら当時5400万円である。ドラッグディーラーの話とは言え、なんか金銭感覚にはついていけない・・・日本の1972年当時の5400万っつったら・・・まあでも舞台はNYだし、その辺の観客が感じた感覚っつうのはよく判らない。
サントラを先に聞いてるため、さえない売人「フレディー」が出てきた瞬間「ああ・・・こいつ死ぬんだ・・・」なんて判っちゃう、そう言う不思議な既知感(?)も妙な気分だった。主人公が「KARATE」をならってるのが如何にも当時っぽい。出て来る車やファッションはなんか素敵。そしてカーティスの音楽が素晴らしい(本人もバーのライブシーンで登場)。クールでじっとりしたサウンドが映像とマッチしてすっげえ良い!!
とまあ、つらつらと細部について感想を書いたけど、全体としては、カッコ良いです。主人公もカッコいいしね。自分は黒人でもねえし、当時未だ幼稚園だったので時代背景も断片的な情報程度にしか知らないわけで、この映画のこだわりでもあったらしい「リアリティー」がどーしたこーしたは良くわからない。ストーリーも今となってはありがちと言えばありがち。正義の味方がそこに居るわけでもない。でもなんと言うか、やっぱハード・ボイルド?子供の頃ルパン(TV初期シリーズ)にあこがれたのと同じような・・・そういう危険な香りのする男のカッコよさと、出し抜く爽快感とか非常に気持ちが良い。
と言う事で、カーティスファンの人もギャング物ファンの人もブラックムービーファンの人も未見だったら見たら良いと思うよ ファンタスティポ風に・・・