花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

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「ストッパー毒島」 ハロルド作石 全12巻

2006-04-03 01:01:26 | マンガの話とか
こないだ出たスライのトリビュート良いです。トリビュートと思いなめていて、買ってから封を切ってなかっただけどかなり良い。みんなスライが好きなんだなあ・・・と全く関係ない話から入ってみる。

「ゴリラーマン」「BECK」でお馴染みハロルド作石の野球漫画。高校で校長から目をつけられ野球部に入れてもらえない主人公。コントロールは無いが球はやたら速い。高校を中退して、パリーグのお荷物チーム「京浜アスレチック」に入る。個性的な面々に囲まれての入団2シーズン目、遂には奇跡的な優勝争いへ・・・そんなお話。

なんか主人公結構打たれる。そこがまた良い。要所で見せる凄い才能ともろさのギャップ、そして終始もがいてる感じが良い。なんてたってストーリーがやっと一人前の野球選手になる所までだし。脇も良いね。アスレチックスの面々はみんな素敵だ。途中参戦のベテラン、ジゴロ加瀬は野球に熱く時折見せる気の弱さが素敵。守備の天才三条、ヤンキーの本上、一見クールだが実は熱い佐世保、元バリバリメジャーリーガー晴男等々・・・みんな熱い。

他球団の架空の人物も良いね。義理と人情を重んじる近鉄の助っ人外人フィッシュバーンはかなり好きなキャラ。「ダブルプレーって何点入るの?」っつう爆弾発言をする次期オーナー候補のおばちゃんやら、ゴリラーマンもロッテの天才投手不破の回想で一瞬出てくるし、プロサッカーとの両刀使いの官野・・・ともかく一杯出てくる。正直一杯出すぎてかなりおいしいキャラを贅沢に使ってるので(清水とかここまで地味な扱いになるとは・・・)、濃いキャラで未だ出てくる複線ありでもそれっきり見たいなのもあったり。天才毒島兄の過去とかも、ピストルくわえこんでる意味深な回想シーンとか出てくるけどあまり詳しく描かれたりしない。

実在の人物も登場。元近鉄の監督、西本とかかなり笑える。渡米前のイチローはかなりクール。野村監督に逆らい、アスレチックスの優勝をなぜか最後まで信じているヤクルト古田もなんか良い。

ラストシーンはゴリラーマン(最終話の最後のコマが唯一の主人公のセリフってのは画期的だったなあ・・・)とも通じる「オチ」感がある。と言うことはBECKの終わり方もこんな感じなのか・・・色々と謎を残したまま、やや名残惜しいままだが、めでたさ的にはやっぱ大団円なのか?

後、センスある細かいギャグの入れ方はハロルド作石ならでは。ともかく一気に読めて、熱くなれて、わくわくする、男の子向けの秀逸なマンガに仕上がってます。是非読んで見て欲しい。