花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「熱帯」 森見 登美彦

2018-12-28 13:19:00 | 活字もすっげえたまには読むぞ


「この本を最後まで読んだ人はいないんです」そう語られる幻の本「熱帯」。確かに読んでいたはずがいつの間にか無くなっている・・・そんな謎の本を途中まで確かに読んだことがあると言う者達が、謎を解こうと集まり協議する団体「学団」。その中には作者の知人も。書き終えてしばらくして音信が途絶えたと言う。そして謎を追い一人二人居なくなる学団のメンバー?深遠なる物語の世界は何処へ繋がっているのか・・・って感じですか?

なんとも摩訶不思議で「あらすじ」の要約なんてほぼ不可能な気がするお話・・・だけど妙に惹きこまれて、読み心地と言うか「居心地」が良い。摩訶不思議な中に適度なポップさ=コミカルさが散りばめられるのは作者ならでのバランス感覚で、それを含めて惹きこまれてるのかと言う気もするけど、それにしてもこの不思議な世界観が妙に気持ち良い。それ以外にどう感想を述べれば良いか判らないけど・・・

非常に面白かったです。