ここは・・・京都?? 名探偵シャーロック・ホームズはある事件の失敗をきっかけに極度のスランプとなり、1年以上の間一切の謎が解けなくなっていた。それは相棒であるジョン・H・ワトソンとその妻メアリーの生活にも影響を与え・・・かつての恩人ホームズに愛想を尽かせたメアリーはもうワトソンにもホームズにかかわってもらいたくなかったが、一方のワトソンは何とかホームズを奮起させようと足掻いていた。時を同じくしてスランプに陥ったホームズの同居人モリアーティ教授や、心霊術士のリッチボロウ婦人、私こそ名探偵と名乗りを上げたアイリーン・アドラー等も絡み合って、かつて少女が行方不明になったマスグレイブ家で新たな不思議な事件が発生し・・・その果てにモリアーティー教授はある場所に取り込まれ・・・ワトソンはモリアーティー教授の残した街の模型にあった架空の街「ロンドン」を舞台に「失敗しないホームズ」による「シャーロックホームズの凱旋」を書き寄稿する事になり・・・ロンドンと京都に別れて描かれたシャーロックホームズとその関係者たちはいったいどうなってゆくのか???って感じでしょうか???
序盤は緩やかに、中盤~終盤でファンタジィ度がぐんぐん上昇していき、なるほどそう来たか・・・え、またそっちか?と息を尽かせぬ展開??と言っていいのか・・・重層化された世界観と一片の優しさと人々の抱える不安が織りなすファンタジィドラマですかね。読み始めと読み終わりで大分印象の変わる、しかしながら終始一貫作者らしいお話でした。
面白かったです。
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