日中は残暑厳しいですが、夜は涼しくクーラーなしでしっかりと寝れるようになりました。こんな時期に夏の疲れがどっと出る人も多いようです。たまには整体師らしいことも書いてみようかと思います。
腰痛の原因としては、筋肉やスジの問題、骨の問題、内蔵の問題、それに精神的ストレス、怒りの感情などの問題など、いろいろありますが、今日は単純ですがよくあるケースについて・・・
先日こられた60代男性。腰というかお尻の上のほう、股関節と骨盤上部とのあいだあたりが痛くて5分も歩いたら痛くてしゃがみこむような状態ということでした。まず、問診のときいすに座ってもらった姿勢が、威張っているわけではないのでしょうが、異様なくらい胸を張っておられるのです。
痛みから緊張状態でそんな姿勢になっている場合もあるので、治療ベッドにうつぶせになってもらい、首肩せなか腰とゆるめていきました。股関節うえあたりは、最初ちょっと押すとギャーというほど痛かったのですが、だんだんイタ気持ちいいくらいに変わっていきました。
そして、かなり楽になったということで立っていただき全身の重心バランスをとっていすに座ってもらうと、最初のものすごく胸を張った姿勢に戻るのです。
「姿勢を良くしようと思って、気をつけておられるんですか?」と聞いてみると
「女房にいつも姿勢悪いと言われて、胸を張るようにしてる」ということです。
姿勢が悪い→姿勢をよくしなければならない→胸を張ってそりかえる→背中腰が常に緊張状態
ということで必要以上に、常に力を入れて胸を張り、背中をそりかえらせることで筋肉の緊張が解けないようになって、腰痛が起こっていたわけです。
「力を抜いて楽にしてください」と言うと、普通の状態になりました。
「これで、いいんですよ」
「えっ!?これじゃ姿勢悪いんじゃあないんですか?」
要は、「自分は姿勢が悪い」という”思い込み”が最初の原因であるのです。
私から見ると、力を抜いてそれほど姿勢が悪いほどでもないのですが、奥さんに言われて、男としてシャンとした姿勢でいなければならない、と強く思ったんでしょうね。このパターンはすごく真面目なひとに起こるパターンです。
「力を抜いた姿勢でよかったんですね~病院じゃあ手術をすすめられたけど、しなくてよかった~」
と喜んでお帰りになりました。