「平穏死」 10の条件 胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか?
著者 長尾和宏 ブックマン社
(本書より抜粋)
これまで500人以上の患者さんの在宅看取りに、そして勤務医時代と合わせると1000人以上の最後に立ち会いました。末期がん、認知症、肝硬変、老衰・・・在宅であっても、病院であっても、最後の生きざまは人それぞれです。しかし勤務医時代に看取らせて頂いた死と、在宅で看取らせて頂いた死では、最後の苦しみが全く違うことに気が付きました。
在宅での最後はほぼ全てが「平穏死」でした。
(以上、引用おわり)
私は生まれてこのかた、ひとりも看取った経験がないので、同い年の著者のすさまじい仕事ぶり、体験に頭が下がるばかりです。医師として病院では「簡単に死なせてもらえない」実態を赤裸々につづってあります。
死を失敗とみる現代医学では延命と称して、死ぬ最後の最後まで患者を苦しめ続ける・・・
平穏に逝かせてあげていいではないか。
80歳を越す両親を持つ私は人ごとではなく、ほんとうにこの本に賛同する思いです。