三瓶山付近にはたくさんの温泉があるので、前回は鶴の湯に入ったから今回は違うところに行ってみようと思ってましたが、どこにするか決めてはいませんでした。昼食のレストハウスにあったパンフレットを見てふと、ここにしてみようかと思ったのです。
大杉さんと別れて少し南方向に行くと四つ角があり、その南方面にはバリケードがしてあって
「この先ガケ崩れ通行止め」の表示が・・・
しかしその横に「千原温泉までは行けます2Km」
少々不安を感じながらも、車が離合できないような、片側はガケになった所の多い狭い林道を谷に向かって降りていきます。2Kmと書いてなかったら、やっぱりやめよう、と引き返したかもしれません。
そして沢に降りたところに千原温泉「←」のカンバンが
この時点では建物も見えません。
ここからさらに山奥に入っていくの?とまた不安がよぎるような場所です。
しかし、少し進むと建物が見えてきました。
こんな人里離れた山奥なのに車が5台止まっています。
民家の軒先のような受付で女将さんに入湯料500円を払い、
「この温泉は浸かるだけの温泉で、石鹸シャンプーは使えません」との説明を受けて奥に進みます。
この窓の下、地面より2メートルくらい下にお湯はあります。
(島根県美郷町の公式ホ-ムページから画像をお借りしました)
畳二畳分くらいの面積なので男湯は6人も入ればいっぱいの感じ。
私が入ったときは先客が5人いて体を小さくして6人目で入り込みました。
その後も一人出ては、ひとり入りという状況。
出入りがあるときは客どうし一言二言、言葉を交わしますがそれ以外はひたすら沈黙・・・
他では騒々しいであろう、板を隔てただけの女湯も同様。
それぞれがお湯を深く深く味わっているのです。
茶色く濁った色は三瓶のまわりの温泉もそうですが、一番の違いは
足元からポコポコッ、ポコポコと不規則に泡がわいて炭酸バブル効果があること。
足元から直接湧出しているのでゆらゆら感があること。
これが目をつむっていると不思議な揺らぎを感じて海の底に沈んでいくような気分になります。
5分くらいしたところで自分の手の指の皮膚がシワシワになっているのに気が付きました。お湯をなめてみるとショッパイ!塩分もかなりあるようです。湯温は31.8度と温水プールくらいなので、1時間をめどにしてください、と書いてありますがしばらく入っても汗はかきません。
初心者ですので30分でお湯からあがりました。
寒い時期は五右衛門風呂で熱くしたお湯で温まってあがるようですが、今は温めてありません。
あがると、ホカホカというよりは体がスースーするような清涼感を感じました。
車のところに帰ると先に出たこの温泉ベテランらしいおじさんが
「ここ初めてですか?」と話しかけてきました。
それからこの温泉の歴史、代替わりする以前は湯治療養専門の温泉で一般客は入れなかったこと、湯質がいかにすぐれているか、効能がどれほどあるか、ということをこんこんと聞かされました(笑)
そしてお湯が1リットル100円で持って帰れるというので空のペットボトルがひとつあったので50円分汲みにお湯汲み場に行きました。
小川のそばに茶濁色のお湯が流れ出しています。
そしてその後約二時間車を走らせ帰宅したのですが、全然疲れがない!
夜それからお酒も飲みましたが、疲れて眠くなることもなく元気いっぱい。
恐るべき秘湯パワーです!
私がこれまで行った中では最大級のお湯のチカラがある温泉と言っていいでしょう。
島根県美郷町千原1070 千原温泉 ホームページあり
車の運転に自信のない人は遠慮したほうがいいかも?
行くにはちょっと覚悟と勇気がいる人里離れた山奥の秘湯です。
これで今回のエネルギー充電三瓶紀行はおしまい。