はちみつブンブンのブログ(伝統・東洋医学の部屋・鍼灸・漢方・養生・江戸時代の医学・貝原益軒・本居宣長・徒然草・兼好法師)

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貝原益軒の養生訓―総論上―解説 009 (修正版)

2015-04-09 17:53:07 | 貝原益軒の養生訓 (修正版)
(原文)

養生の害二あり。元気をへらす一なり。元気を滞らしむる二也。飲食色慾労動を過せば、元気やぶれてへる。飲食・安逸・睡眠を過せば、滞りてふさがる。耗と滞ると、皆元気をそこなふ。

心は身の主也。しづかにして安からしむべし。身は心のやつこなり。うごかして労せしむべし。心やすくしづかなれば、天君ゆたかに、くるしみなくして楽しむ。身うごきて労すれば、飲食滞らず、血気めぐりて病なし。

(解説)

 貝原益軒は、「 解説 005」に出てきたように、「人の元気は、もと是天地の万物を生ずる気なり。是人身の根本なり」、と言いました。この元気の量の減少、及び、運動の停滞、それら二つが身心に害を与えるのです。過度な飲食・色慾・労動・安逸・睡眠がそれらをひき起こします。

 『素問』の霊蘭秘典論は、人体の内臓の働きを、政治における官職に例えて説明しています。

「心は、君主の官なり、神明、焉より出づ・・・主、明らかなれば、則ち下安んじ、以て此れ生を養えば、則ち寿(いのちなが)し、世を歿(お)うるまで殆うからず、以て天下を為せば、則ち大いに昌んなり、主、明らかならざれば、則ち十二官(十二の臓器)危うし、使道(経絡・血管)は、閉塞して通ぜず、形、大いに傷る。此れを以て生を養えば、則ち殃(わざわい)あり」

 このように心が身体にとって最も重要なものであることを説いています。心には、肉体的なポンプとしての心臓という意味があり、また精神的な意志や意識といった意味もあります。『荀子』の天論には、「心は中虚に居り、以て五官を治める、夫れ是れ之れを天君と謂う」とあります。心は、五官、つまり耳・目・鼻・口・形といった五つの器官で感覚するものを支配するところであり、この心臓ではない方の心を天君と呼ぶのです。

(ムガク)

(これは2011.3.16から2013.5.18までのブログの修正版です。文字化けなどまだおかしな箇所がありましたらお教えください)


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