ムサビで学び始めた頃、3.11の大震災の爪痕が各地に生々しく残されていました。 私の近所でも土地の液状化で家が傾き、住めなくなった人たちが大勢出ました。 我が家はどの部屋も窓枠下の壁紙に大きな亀裂が走りました。
その頃、ムサビの造形基礎Ⅲの課題で、自分の中の思いをデザインして描け(多分そういう課題だったと思います💦)というものがありました。 デザインなどと言うものは全く考えたこともなくこれまた大変困惑しましたが、被災地へのエールを込めたものにしたい・・・と考えました。
緑が萌え、蘇った大地に人々のいつもの平和な生活が戻っている・・ そんな希望を届けたくて描きました。
現在の不気味に増え続けるコロナ感染に加え、これまでに経験したことのないような大雨の被害に生活のすべてを奪われた方々に向けても、この絵に込めた祈りが届きますように・・・
夕暮れ
カラスが
ふたこえ みこえ 鳴いて
夏の日が 暮れていく
美しいひとが
美しい花のこころを
うつしている
夕やみが
そこだけを
あかるく残したまま
しずかに あたりを
うめていく
かいまみた 現代の浮世絵
高田敏子