曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

少し気持ちが楽に・・・認知症

2020-09-29 | 良い加減介護

認知症についての本は現在多数出版されていますが、昨日読み終えた本は、「患者さんにやさしく、そしてそれ以上に”介護をする自分”にやさしい介護」のためのヒントが分かりやすく書かれていて、大変参考になりました。 介護する者にとっては、力強いエールでもありました~~

著者は認知症の専門医として長年患者と、患者を支える家族と出会い、診察とカウンセリングなどに積極的に取り組んでいらっしゃる先生とのことです。

私が最も、心動かされたことは、先生の「認知症の人にとっての幸せとは何か」に対する考え方でした。

「認知症の患者さんが幸せか不幸せかは、患者さん本人ではなく介護する人たちや周囲の環境次第なのですね。 忘れても、できなくても、わからなくてもいいんです。 患者さん本人が笑顔で、元気で、自尊心が守られ、楽しみと安らぎと張り合いを実感できる暮らしがあれば、その人は幸せなんです。 高齢者が認知症になってしまったとしても、そこにストレスがかからなければ、心は安定し、穏やかなままで周辺症状はでてきません。」

更に、「昔と同じではなくても、人は誰でも、その人としての”今”を生きています。 ですから、昔と比べず、その人の”今”を受け入れることから、介護が始まります・・」と。

そして、具体的に認知症の人への接し方を「なんちゃってユマニチュードのLTTS」と称し、病人ではなく「ひとりの人間」として接し、人と人とのつながりに重きを置いてアプローチする(イギリスの「パーソン・センタード・ケア」にも相通じる)ことが大切と述べています。

LTTSのLは笑顔で見る、目を合わせる(LOOK)、Tは話しかける(TALK)、次のTは触れる(TOUCH)、Sは立つように促す(STAND)で、これがユマニチュードの基本なのだそうです。

他にも、介護の原則6項目もあって、いづれも納得できることばかり・・・詳しくは下記に紹介した、本「やさしくなれる認知症の在宅介護」を参照してください。

一方、介護する側にとっては、「自分に優しい介護」のために「プチ手抜き」の考え方が取り入れられていて、介護者の心と体のケアに重点が置かれている点は、非常に有難く、素直に受け入れることができます。 

夫の病気をそのまま受け入れ、彼の笑顔のためにどうしたら良いかを考えればいいのだ・・・という風に考えたらなんだかとても気が楽になりました~~ 実際にそんなにうまくいくか・・・大変心もとなく、難しいことなのですが、こちらの接し方が変れば、何かが変わるかもしれない、と期待したいのです・・・

夫は救急入院から3週間になろうとしています。 泌尿器系の病気の方は治ったため、退院許可は下りたものの、このまま自宅に帰るには、入院前より症状が進み、私が一人で介護するには無理ではないか・・・ということで、先日の4者面談では、グループホーム等の施設はどこも空きがないため、当面リハビリに重きを置いている老健施設に入所して、リハビリの効果の状況により、自宅に戻ってこれまで通りデーサービスとショートステイを組み合わせた自宅介護にするか、施設利用になるか判断しよう・・・という結論が出たのでした。

今日、希望していた老健施設から、家族と面談したい・・・との連絡がありました。 今度の日曜日にその施設に出向く予定です。 その施設にはこれまで一度も見学に行ったことはないのですが、これまで通っていたデーサービスで親身になって夫が施設に馴染むよう心を砕いて下さった責任者が、なんと9月から老健施設に転職したことを知って、彼を信じてそこを希望したのです。 

夫は救急入院した時には、突然全く歩けない状態になってしまっていたのですが、病院で毎日リハビりして頂いて、立てるようになりました。 今後、老健施設で集中してリハビリして頂ければ、入院前位には回復する希望も見えてきましたので、結果として、ベストな対処方法になるかもしれない・・・と思っています。

 

長々と書いてしまいましたが、厚生労働省によると、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になるとの推計がなされているそうです。 そこで、大変僭越ながら、少しでも認知症に対する理解につながれば、と思い敢えて載せさせて頂きました。

 

昨日読んだ本:「やさしくなれる認知症の在宅介護」 坂東 邦秋 ワニブックス

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