曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

ひとつ回った人生の歯車

2020-10-15 | 良い加減介護

夕べはまるで小学校に入学する子供のために、持ち物すべてに名前を書く母親のような気分で、夫の衣類や持ち物のひとつひとつに名前を書き入れました~~

夫は今日、無事退院し、そのまま介護老人保健施設に入所いたしました~~ 3カ月しっかり施設の専門のスタッフさん達のもとでリハビリをして頂ければ、新たな展開が期待できるかもしれない・・・と淡い期待を抱きながら、ここで大きく人生の歯車が回ったのかも知れない・・・と感じています。

施設では、先ず会議室に通され、生活相談員の方を中心に、施設のそれぞれの分野の責任者ーー介護、看護、栄養、そしてリハビリーーの方々との細かい打ち合わせがありました。 細かい点までじっくり話し合いが出来て、一人一人を大切に扱って頂けそうだ・・・と大きな安堵感を抱くことが出来ました。 何よりも、スタッフの皆さんの明るい笑顔が嬉しかったです。 今日はたまたま所用でお留守でしたが、前のデーサービスで大変お世話になった、Hさんが介護支援専門員として関わって下さるので、その点でも大きな安心感があります。 

話し合いを終えて帰る私を、夫が笑顔で見送ってくれて、何だか拍子抜けした思いもありながら、やはりこれで良かったのかもしれない・・・と気持ちが少し明るくなりました。

 

今日の見出し画像は、江戸中期に活躍した臨済宗の禅僧の絵師「仙厓」和尚の絵です。 紙の外側に見えるであろう満月を指して、「を月様いくつ十三  七つ」と子守唄を歌う布袋様と隣ではしゃぐプリケツ子供の微笑ましくも温かな姿の絵です。

今から200年以上も前に、元祖ゆるキャライラストで禅の教えを人々に説いていた仙厓和尚はこの絵にも深い意味を込めていたと言われています。 禅において、悟りの象徴である満月を指して布袋様は「お坊さんが目指す悟りはあんなに遠くにあり、悟りは簡単に辿り着けるものではないのだよ」と。

 

夫の退院と施設入所とこの絵がどんな関係が・・・と思われる向きもお出でかと思いますが、実は仙厓和尚の次の言葉を引用したくて、仙厓和尚を先ず絵と共に紹介いたしました~~(無理なこじつけかもしれませんが)・・・ 老いの道を一段登った夫へのエールを込めて・・・ そして、同じ時代を生きているすべての人へのエールの気持ちを込めて・・・ お節介でしたでしょうか・・・

 

60歳は人生の花

70歳で迎えが来たら留守だと言え

80歳で迎えに来たら早過ぎると言え

90歳で迎えに来たら急ぐなと言え

100歳で迎えが来たらボツボツ考えようと言え

                       仙厓

 

何年か前伊豆の温泉に行った時、ホテルの風呂場の脇にこの言葉が書かれていて、仙厓の言葉とは知らずに笑ってしまったことを思い出します・・・

                              

 

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