(モンダイの黒ジャケット。写真はラメが光っていないのが残念!)
この夏POWDERのバンド衣装を買い揃えた。
今までは、青いダブルのジャケットに、夏用の黄色いボーリングシャツ、そしておなじみとなった赤いジャケットだった。
少々飽きがきたことと、夏場の暑さ解消にと思いメンバーで考えた。
オレとしては白いスーツにしたかった。帽子も揃えたかった。
キザに決めたら絶対格好良いと思う。
だが、スーツは値が張ることと、汚れが目立つという理由で流れた。
じゃあどうしようかということで、話し合うこと2~3分。話がそれたり、下ネタに流れてまあどうでもいいかなというか、分からないよねーといういつもの流れ解散的霧消である。
結局は行き当たりばったり、名古屋大須のホスト御用達メンズショップで見て決めることにした。
たまたま、「Sexy Voice」という名前の、オレとSAXのいっちゃんと一緒に参加しているバンドのライブが名古屋の「Bottom Line」であったので、いっちゃんとオレは二人代表で買いに行くことにした。
お盆休みに入ったカンカン照り猛暑の日曜日、別々の車で出かけ途中で合流したのだが、ライブのリハ時間までにあまり時間もなく、大須の駐車場事情もわからず、結構二人は心なしか焦りつつ何とか店にたどり着いた。
そこで見つけたのが、黒いラメのジャケットだ。
丁度たくさん入荷したばかりで、男メンバー分6着が揃うというので即決した。
凝った作りなので1着あたりの単価がちょっと高かったが、リーダーのいっちゃんの心遣いでバンド費のストックを一部補充し、メンバーの出費は極力抑えることとなった。
リハ時間にも間に合うこととなって、良かった良かったといっちゃんと3着ずつ車に積み込んだのだった。
その夜のSexy Voiceのライブは何とか終了し、我々は別々に帰宅した。
ところがである。
その後、しばらくして事件は起こった。
オレの甥っ子の結婚披露宴でのライブという依頼があり、お祝い事だということでメンバーも快く引き受けてくれた。
一応、メンバーにはギャラも出ることになった。
当然身内のオレは受け取るわけにはいかず、お招きする側として式場の打ち合わせにも参加して万全を期して当日を迎えた。
その日は大安吉日の日曜日。9月初旬だったがさほど猛暑でもなく、気分良く朝から張り切って出かけた。
車にはドラムセット等の機材やら着替えや衣装で満載だ。
3人分のジャケットは機材類と一緒に積み込んだ。ドラムセットの上にオレが置いた。
この日が新衣装の初めてのお披露目である。
結婚披露宴が、新衣装の初めての披露の宴とは縁起が言いや。などと鼻歌まじりで出かけたのだった。
さて、豊橋一の馬鹿でかい結婚式場に着き、車中の大量の機材類をおろし、披露宴会場にはエレベーターに乗って、あとは荷物を両手に持ち歩いた。
メンバーのみんなも忙しい中、手を貸してくれて大助かりだった。
セッティングをテキパキと急ぎ、続けてリハをすばやくこなして、準備OK。
さて一息である。
控え室に案内されて、着替えや衣装やもろもろの荷物を持って行ったのだが、そこで気づいた。
衣装が1着足りない。
確かに3着、車に積み込んだのに2着しかない。
ならきっと、車に残っているはずだと思い駐車場に走ってみたが、ない。
エレベーター付近や迷路のような通路に落としていないか、目を皿のようにして歩いたが見当たらない。
なぞの紛失である。
全てが終了して、家に帰ればきっとあるさ。という希望も空しく、家にもなかった。
結婚式場に電話をかけ、忘れ物か落し物の中にジャケットはないかと状況を詳しく説明したが、しばらくして「見当たりません」の返事が来た。
それでも、まーそのうち出てくるさ。という期待も空しく、どこからも出てこなかった。
その数日後、オレは名古屋の病院で人間ドックを受けることになっていた。
人間ドックを受けた後、ベースのたーさんと待ち合わせて「名古屋KENTOS」へ飲みにいこうと約束していたのである。
名古屋特有の蒸し暑く、9月中旬とは思えぬ猛暑の日だった。
オレは、大須のホスト御用達店に一人で行き、黒いラメの入ったジャケットを1着買った。
もう覚悟は出来ていた。弁償である。金2万4千円プラス消費税也。
衣装の袋を片手に持った帰り道、商店街のアーケイドから流れる冷房の涼しい風は、心地良さよりむしろ、寂しく空しく感じた。
この夏POWDERのバンド衣装を買い揃えた。
今までは、青いダブルのジャケットに、夏用の黄色いボーリングシャツ、そしておなじみとなった赤いジャケットだった。
少々飽きがきたことと、夏場の暑さ解消にと思いメンバーで考えた。
オレとしては白いスーツにしたかった。帽子も揃えたかった。
キザに決めたら絶対格好良いと思う。
だが、スーツは値が張ることと、汚れが目立つという理由で流れた。
じゃあどうしようかということで、話し合うこと2~3分。話がそれたり、下ネタに流れてまあどうでもいいかなというか、分からないよねーといういつもの流れ解散的霧消である。
結局は行き当たりばったり、名古屋大須のホスト御用達メンズショップで見て決めることにした。
たまたま、「Sexy Voice」という名前の、オレとSAXのいっちゃんと一緒に参加しているバンドのライブが名古屋の「Bottom Line」であったので、いっちゃんとオレは二人代表で買いに行くことにした。
お盆休みに入ったカンカン照り猛暑の日曜日、別々の車で出かけ途中で合流したのだが、ライブのリハ時間までにあまり時間もなく、大須の駐車場事情もわからず、結構二人は心なしか焦りつつ何とか店にたどり着いた。
そこで見つけたのが、黒いラメのジャケットだ。
丁度たくさん入荷したばかりで、男メンバー分6着が揃うというので即決した。
凝った作りなので1着あたりの単価がちょっと高かったが、リーダーのいっちゃんの心遣いでバンド費のストックを一部補充し、メンバーの出費は極力抑えることとなった。
リハ時間にも間に合うこととなって、良かった良かったといっちゃんと3着ずつ車に積み込んだのだった。
その夜のSexy Voiceのライブは何とか終了し、我々は別々に帰宅した。
ところがである。
その後、しばらくして事件は起こった。
オレの甥っ子の結婚披露宴でのライブという依頼があり、お祝い事だということでメンバーも快く引き受けてくれた。
一応、メンバーにはギャラも出ることになった。
当然身内のオレは受け取るわけにはいかず、お招きする側として式場の打ち合わせにも参加して万全を期して当日を迎えた。
その日は大安吉日の日曜日。9月初旬だったがさほど猛暑でもなく、気分良く朝から張り切って出かけた。
車にはドラムセット等の機材やら着替えや衣装で満載だ。
3人分のジャケットは機材類と一緒に積み込んだ。ドラムセットの上にオレが置いた。
この日が新衣装の初めてのお披露目である。
結婚披露宴が、新衣装の初めての披露の宴とは縁起が言いや。などと鼻歌まじりで出かけたのだった。
さて、豊橋一の馬鹿でかい結婚式場に着き、車中の大量の機材類をおろし、披露宴会場にはエレベーターに乗って、あとは荷物を両手に持ち歩いた。
メンバーのみんなも忙しい中、手を貸してくれて大助かりだった。
セッティングをテキパキと急ぎ、続けてリハをすばやくこなして、準備OK。
さて一息である。
控え室に案内されて、着替えや衣装やもろもろの荷物を持って行ったのだが、そこで気づいた。
衣装が1着足りない。
確かに3着、車に積み込んだのに2着しかない。
ならきっと、車に残っているはずだと思い駐車場に走ってみたが、ない。
エレベーター付近や迷路のような通路に落としていないか、目を皿のようにして歩いたが見当たらない。
なぞの紛失である。
全てが終了して、家に帰ればきっとあるさ。という希望も空しく、家にもなかった。
結婚式場に電話をかけ、忘れ物か落し物の中にジャケットはないかと状況を詳しく説明したが、しばらくして「見当たりません」の返事が来た。
それでも、まーそのうち出てくるさ。という期待も空しく、どこからも出てこなかった。
その数日後、オレは名古屋の病院で人間ドックを受けることになっていた。
人間ドックを受けた後、ベースのたーさんと待ち合わせて「名古屋KENTOS」へ飲みにいこうと約束していたのである。
名古屋特有の蒸し暑く、9月中旬とは思えぬ猛暑の日だった。
オレは、大須のホスト御用達店に一人で行き、黒いラメの入ったジャケットを1着買った。
もう覚悟は出来ていた。弁償である。金2万4千円プラス消費税也。
衣装の袋を片手に持った帰り道、商店街のアーケイドから流れる冷房の涼しい風は、心地良さよりむしろ、寂しく空しく感じた。