その日、オレは趣味仲間であり、飲み仲間でもあるワタナベ君と、ハヤシ君、そしてアンドー君と食事に出かけることになった。
どこに行こうかと考えたが、あれこれ迷っても仕方がない。
近くの「ゼニーズ」に行くことにした。ゼニーズは名前のとおり、値段は高いが金次第でなかなか上手いものを食わせるファミレスだ。
ワタナベ君とハヤシ君はヘビースモーカーなので、料理が美味い不味いはどうでもいいので喫煙できるところがいいという。
ワタナベ君は板前としてもプロの腕を持っているが、今はただタバコを吸いたいだけなのだろう。
この頃では、殆んどの飲食店は禁煙になってしまった。それどころか、タバコを吸うためには相当の金を払わないといけない世の中なのである。
一方、アンドー君とオレはタバコを吸わないので禁煙でかまわない。ただ美味いものが食いたいのだ。
アンドー君は美食家である。彼のホームページの自画像は幸福そうで好感が持てる。キャラクターのお椀を手に飯を食っている姿は、或いは美食家と言うよりは、ただの大喰らいかも知れない。その嬉しそうな笑顔をHPで見てもらいたく、そのURLを紹介したいが、いかんせん彼はオレの夢の登場人物なので紹介できないのが残念だ。
さて、その4人で「ゼニーズ」に行った。
「いらっしゃいませ~、ゼニーズにようこそー。禁煙席、喫煙席どちらがよろしかったですかー?」
「喫煙席で」ワタナベ君が言う。
「喫煙席ですね?少々お待ちください。喫煙者様がいらっしゃいました~!」
奥に向かって、タバコ吸いが来店したことを大声で告げた。
禁煙席は一般市民一般貧民で満席だが、喫煙席はガラガラだ。もはや超高級贅沢品のタバコを吸えるのは特定の所得層に限られているのだ。
喫煙者専用のウェイトレスがやってきた。一般客とは違い、メイド姿の可愛い娘である。
「お帰りなさい、ご主人様~」
うへ~、昨日の夢とおんなじじゃんかー!と少しうんざりしたが、ほしのあき似の美人なので良しとした。
昨日の娘も同じ顔だったはずだが、Fカップの胸に目が奪われて、顔は見ていなかったのである。
しかも、今日はほしのあきが横浜VS阪神戦で始球式を行ったような、胸の谷間とおへそが見えるようにざっくりとカットされた衣装だ。
オレ達4人が一斉にツバを飲み込み、4つのゴックンという音がホールに響いた。
喫煙席は席料がかかる。席料3,000円と、サービス税7,000円である。4人で既に40,000円が加算されている勘定である。たかがタバコを吸いたいだけなのに、異常に税金が高い。
うへ~、またもおんなじ夢じゃんかー。なんとボキャブラリーの少ない頭脳だ。
この先どうなることやらと思ったが、いくら金を払っても夢なので、誰の腹も痛まないことははっきりしており安心だ。
ところが、ストーリーが変わってきた。
ほしのあきにそっくりなメイド嬢はメニューを差し出した。
うつむくと、Fカップがこぼれ落ちそうである。
「お決まりになった頃まいります。」と踵を返した時、ハヤシ君が言う。
「裏メニューください。」
メイド姿のほしのあきは可愛い笑顔でこう答える
「ドクロメニュー?それともエロ?どちらにします?」
エロサービスの裏メニューなら昨日の夢とおんなじだ。
オレは少しドキドキした。なんと言っても相手は今や完全にほしのあきだ。
「ドクロで」ハヤシ君の言った裏メニューは食い物の裏メニューだった。
表紙にはおどろおどろしい髑髏のマークが印刷されており、最近密かなブームの不健康食のメニューだ。
政府が国民の意向を無視して輸入したアメリカ産の狂牛肉が、危険部位が混入していたため再び輸入禁止したものの、既に出回っていた一部の汚染牛肉を自殺願望者たちが欲しがり、プレミアムが付いたことからブームとなってしまったのだ。
髑髏のマークといえば、地元のラーメン屋「喪黒屋」も看板にしており、人気チェーン店としてあちこちに店舗を広げているが、不健康食ブームとは関係ないものの、ブームの火付け役としてTVでも紹介されてしまって、店主は困惑していた。
メニューの中身というと、、
「米国産本場の狂牛肉のTボーンステーキプリオン体仕立て」
「肉骨粉餌育成鶏のフライドチキン」
「英国産鶏インフルエンザお造りづくし」
「北朝鮮産贋アサリと平壌松茸の酒蒸」
「中国産の人肉餌育成茹上海蟹」
など、いかにも自殺願望者の食いたがるようなメニューばかりだった。
しかも、バカ高いのである。北朝鮮の食い物などにいたっては、「金正日への献金20,000円込み」と書いてあり、その分上乗せされているという始末だ。
アンドー君は、メニューを一瞥しただけでいかにも気持ち悪そうな顔で閉じた。
「オレはやっぱり、寿餓鬼やのラーメンがいいな。」と言い、なぜかスーパーに出店しているラーメン店の商品を注文して、その瞬間にはもう食っているではないか。しかも、「先割れスプーンが当たった」と大喜びしている。
ハヤシ君とワタナベ君は、スペアリブと鶏の丸焼きを食っている。どうやら狂牛肉や鳥インフルエンザの鶏ではなさそうだ。
どうやら、みんな早死にだけは望んでいないようだった。
そして、ほしのあきはTVの画面の中で笑っていた。
どこに行こうかと考えたが、あれこれ迷っても仕方がない。
近くの「ゼニーズ」に行くことにした。ゼニーズは名前のとおり、値段は高いが金次第でなかなか上手いものを食わせるファミレスだ。
ワタナベ君とハヤシ君はヘビースモーカーなので、料理が美味い不味いはどうでもいいので喫煙できるところがいいという。
ワタナベ君は板前としてもプロの腕を持っているが、今はただタバコを吸いたいだけなのだろう。
この頃では、殆んどの飲食店は禁煙になってしまった。それどころか、タバコを吸うためには相当の金を払わないといけない世の中なのである。
一方、アンドー君とオレはタバコを吸わないので禁煙でかまわない。ただ美味いものが食いたいのだ。
アンドー君は美食家である。彼のホームページの自画像は幸福そうで好感が持てる。キャラクターのお椀を手に飯を食っている姿は、或いは美食家と言うよりは、ただの大喰らいかも知れない。その嬉しそうな笑顔をHPで見てもらいたく、そのURLを紹介したいが、いかんせん彼はオレの夢の登場人物なので紹介できないのが残念だ。
さて、その4人で「ゼニーズ」に行った。
「いらっしゃいませ~、ゼニーズにようこそー。禁煙席、喫煙席どちらがよろしかったですかー?」
「喫煙席で」ワタナベ君が言う。
「喫煙席ですね?少々お待ちください。喫煙者様がいらっしゃいました~!」
奥に向かって、タバコ吸いが来店したことを大声で告げた。
禁煙席は一般市民一般貧民で満席だが、喫煙席はガラガラだ。もはや超高級贅沢品のタバコを吸えるのは特定の所得層に限られているのだ。
喫煙者専用のウェイトレスがやってきた。一般客とは違い、メイド姿の可愛い娘である。
「お帰りなさい、ご主人様~」
うへ~、昨日の夢とおんなじじゃんかー!と少しうんざりしたが、ほしのあき似の美人なので良しとした。
昨日の娘も同じ顔だったはずだが、Fカップの胸に目が奪われて、顔は見ていなかったのである。
しかも、今日はほしのあきが横浜VS阪神戦で始球式を行ったような、胸の谷間とおへそが見えるようにざっくりとカットされた衣装だ。
オレ達4人が一斉にツバを飲み込み、4つのゴックンという音がホールに響いた。
喫煙席は席料がかかる。席料3,000円と、サービス税7,000円である。4人で既に40,000円が加算されている勘定である。たかがタバコを吸いたいだけなのに、異常に税金が高い。
うへ~、またもおんなじ夢じゃんかー。なんとボキャブラリーの少ない頭脳だ。
この先どうなることやらと思ったが、いくら金を払っても夢なので、誰の腹も痛まないことははっきりしており安心だ。
ところが、ストーリーが変わってきた。
ほしのあきにそっくりなメイド嬢はメニューを差し出した。
うつむくと、Fカップがこぼれ落ちそうである。
「お決まりになった頃まいります。」と踵を返した時、ハヤシ君が言う。
「裏メニューください。」
メイド姿のほしのあきは可愛い笑顔でこう答える
「ドクロメニュー?それともエロ?どちらにします?」
エロサービスの裏メニューなら昨日の夢とおんなじだ。
オレは少しドキドキした。なんと言っても相手は今や完全にほしのあきだ。
「ドクロで」ハヤシ君の言った裏メニューは食い物の裏メニューだった。
表紙にはおどろおどろしい髑髏のマークが印刷されており、最近密かなブームの不健康食のメニューだ。
政府が国民の意向を無視して輸入したアメリカ産の狂牛肉が、危険部位が混入していたため再び輸入禁止したものの、既に出回っていた一部の汚染牛肉を自殺願望者たちが欲しがり、プレミアムが付いたことからブームとなってしまったのだ。
髑髏のマークといえば、地元のラーメン屋「喪黒屋」も看板にしており、人気チェーン店としてあちこちに店舗を広げているが、不健康食ブームとは関係ないものの、ブームの火付け役としてTVでも紹介されてしまって、店主は困惑していた。
メニューの中身というと、、
「米国産本場の狂牛肉のTボーンステーキプリオン体仕立て」
「肉骨粉餌育成鶏のフライドチキン」
「英国産鶏インフルエンザお造りづくし」
「北朝鮮産贋アサリと平壌松茸の酒蒸」
「中国産の人肉餌育成茹上海蟹」
など、いかにも自殺願望者の食いたがるようなメニューばかりだった。
しかも、バカ高いのである。北朝鮮の食い物などにいたっては、「金正日への献金20,000円込み」と書いてあり、その分上乗せされているという始末だ。
アンドー君は、メニューを一瞥しただけでいかにも気持ち悪そうな顔で閉じた。
「オレはやっぱり、寿餓鬼やのラーメンがいいな。」と言い、なぜかスーパーに出店しているラーメン店の商品を注文して、その瞬間にはもう食っているではないか。しかも、「先割れスプーンが当たった」と大喜びしている。
ハヤシ君とワタナベ君は、スペアリブと鶏の丸焼きを食っている。どうやら狂牛肉や鳥インフルエンザの鶏ではなさそうだ。
どうやら、みんな早死にだけは望んでいないようだった。
そして、ほしのあきはTVの画面の中で笑っていた。