駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

男が女を愛する時(ローズより)

2006年05月15日 | オールドミュージック
写真は1979年のアメリカ映画「THE ROSE」(ローズ)のDVDジャケット。時が経つのは早いもので、何と27年前の映画ということになります。
映画のDVDも今では安くなって、1,000円台で買える。中古ならたぶんその半額だろう。
主演はご存知、ベット・ミドラーである。
映画の中のステージシーンでは素晴らしいヴォーカルが、随所に映像で見て、聞くことが出来る。全く音楽ファンにはゴキゲンな映画である。
「ジャニス・ジョプリンの人生を描いた映画、云々」などと言われるけれど、いやいやいやいや、これはベット・ミドラーのためにベット・ミドラーが演じて歌いきった映画ですね。
オレ個人の感想だが、正直言ってベット・ミドラーは美人ではない。ゴメンましょうだけど、キレくな~い。キレてな~いではなくってさ。なのでオレの好きな女優ではな~い。イモ女優でもきれいなほうがいいな~何ちて。
女優というよりも、実力派歌手が抜群の演技をした、という見方をしてしまって、どうもその点、オレの中ではバーブラ・ストライザントとダブっている。
まあ、美人だと感じたり、好きだと思ったりするというのは個人の主観によるものだから、どうでもいい話ですな。
ただ、ベット・ミドラーは相当ボインちゃんでしたね。「どこ見てんのよー!!」てへ、怒られちゃった。

そこで、紹介したい曲っていうのは、劇中歌の「男が女を愛する時」であります。
原曲は「パーシー・スレッジ」で66年の大ヒット曲のロッカ・バラードなのだが、ベット・ミドラーはこの歌をステージ上でまさに絶唱している。単なるロッカ・バラードではなく、全身全霊でロックしまくっている。
何度観てもこの歌のシーンでは鳥肌が立ってしまうほど実に素晴らしいヴォーカルだ。

この曲にまつわるエピソードがあります。
10数年前のことだが、現在「SEXY VOICE」でバンマスをしている春名さんからいろいろな曲が入っているカセットテープを貰った。
今後のバンド活動の参考のために貰ったテープなのだが、そこに入っていたのが「男が女を愛する時」で、パーシー・スレッジではなく、ローズのサントラ盤でもなく、新しいアレンジ(その時代としては)の女性ヴォーカルバージョンだった。
誰が歌っているのかは分からなかったが、気に入ってしょっちゅう聞いていたが、気になって春名さんに聞いてみた。すると、「ポンポコリンの片割れの人だよ」と教えてくれた。
踊るポンポコリンといえば、「B.B.クイーンズ」として近藤房之助が有名であり、片割れならば「坪倉唯子」である。
そうか、「坪倉唯子」が歌う「男が女を愛する時」だったか~という感じだった。
だが、アレンジが聞いたことがあるなと思って、ひょっとして?と思って「ローズ」の中の「男が女を愛する時」を改めて聞いてみた。
するとやっぱり、同じアレンジ同じ歌い回しだった。
後で分かったのだが、坪倉さんはベット・ミドラーにかなり影響されておられたらしく、「ローズ」のサントラ盤の曲は完全にコピーしたようだ。
しかし、凄いなと思うのは、ベット・ミドラーと全く同じように歌えてしまい、なおかつ自分のものにしてしまっているという点だ。


この写真は「LUCKY7」時代のもの。カズミ、ツリ、いっちゃん。マサトとオレもほんの少し顔が見える

オレはその頃、「ジ・オールディーズ」という名前のオールディーズバンドでドラムを叩いており、当時のヴォーカルのカズミちゃんに、すごくいい曲だと言って坪倉さんの歌う「男が女を愛する時」のテープを渡した。
彼女もその曲を気に入ってくれたらしく、よく聞き込んだうえで、バンドで歌いたいといってくれた。バンドとしても、ロックバラードのレパートリーが少ないので喜んで引き受けた。
そして歌ってもらった瞬間、バンドメンバーは唖然とした。素晴らしかったのだ。
カズミちゃんのロック・ヴォーカリストとしての非凡な歌唱力がハッキリした時だった。

大げさに聞こえるが、ベット・ミドラーから坪倉さんへ、そしてその歌い回しはカズミちゃんが完全に受け継いだ気がした。
あのエンディングの絶叫に近い歌声は、今思い出しても鳥肌が立つほど迫力があった。
オレ達が毎週演奏していたライブステージで歌うと、瞬く間に人気曲になり、毎週毎週リクエストが続いた。この曲ばかり歌っているとさすがにカズミちゃんの喉が悲鳴を上げて、時折リクエストから外すこともあったが、とにかく凄かった。
いつかまた聞いてみたいとも思うが、そんな機会があるかどうか?
コメント (3)
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