母が入所している特別養護老人ホームでは、
入所している高齢者の方を「入居者さま」と、呼んでくれます。
1か月や2か月の「入所」ではなく、
ここにずっと「居住する」からなのでしょう。
だったらなおのこと、
母を含めたここの高齢者が、「ここは自分の家」「ここは自分の部屋」
と、思えるような対応をしていただきたい、と思っています。
施設のパンフレットに、
「ご自分のお部屋ですから、今までお家で使っていたお気に入りの家具などを持ち込んでも良いのです。」
と、書かれてもいるのですから。
2月中旬に、母に会いに行ったとき
朝食の際、味噌汁をこぼして汚れたままのズボンを着替えさせてももらえず
濡れたままでベッドに横になっていたこと。
私が、そのズボンを着替えさせていても、
「私がします」でもなく、ただじっと横に立って見ているだけだった介護士の姿勢。
「洗濯をするものが増える・・・」というような空気を感じて
汚れたズボンを家に持ち帰ったこと。
トイレの介助のあとも、ズボンを腰まできちんとあげてもらえず、
だらしなくお腹の下に下シャツやズボン下がはみ出したままであったこと。
「朝から機嫌が悪かった。もう起きない、と言った。
朝食を食べるように誘ったけれどくそアマと言われた。」
その介護士にそう言われ、
「認知症ですから、家でも、そういうことはあったんですよ。」と、その場はそれで収めたけれど、
このひどい扱いに、ただただ切なくて、あの日は帰ってきたのでした。
お世話になっているのだから・・・・
だったら、自分で看てあげればいいじゃない・・・・
1か月、自分の中で葛藤し、姉たちや主人にも相談して、
やはりこのことは、ホームの責任者に話すべき、と思い
先日懇談会を持ってもらいました。
いままで、うちのように、頻繁に家族が訪問する入居者はいなかったのかもしれません。
訪問しないから気付かない、と言うことだったのかもしれません。
ひどい扱いを受けた介護士はその人ただ一人でした。
それは、結構頻繁に訪問してきたからこそわかりました。
(ほかの方たちは、本当にいい方ばかりでしたから)
そしてそれは、施設側もうすうすわかっていたことのようでした。
ただ、一人で介護をしている(仲間が見ているわけではない)ので、
具体的なことはわからなかったようでした。
お話をさせてもらったことで、私自身もすっきりし、
心配だった施設の介護体制もお聞きすることが出来ました。
また、家にいたころの母の様子(主に認知症症状)についてもお話しすることが出来
母のことを理解していただくうえでも、
思い切って懇談会を持っていただけて良かったと思いました。
母にとってはもう、
このホームが「家」なのです。
自分の家のように、安心して過ごせるように、と
お願いしてきました。