『晴れた日には・・・』

日々の雑感を綴ります。

「成長する考え方」と「成長できない考え方」

2014年02月24日 | 雑感

今日、あるお母さんと懇談をしました。

保育園の保育方針、保育の内容などを聞きたい、というので

担任二人と一緒にお話を伺うことにしたのです。

そんなお母さんがご持参なさったのが、

以下に写したDweck博士の「固定された思考態度」と「成長する思考態度」

「固定された思考態度」は根本に「自分をよく見せたい」という欲求があるため、失敗する可能性がある挑戦を避けたがります。障害にぶつかった時のあきらめも早く、努力は実を結ばないと考えがちです。批判に対し、例えそれが有用なものであってもネガティブな意見であればフィードバックを無視してしまい、他人の成功に脅威を感じます。そして自分の能力を出し切ることができず、早い段階で能力の伸びが頭打ちの状態へと移行してしまいます。

一方「成長する思考態度」はまず「学びたい」という欲求から始まるため、挑戦を喜んで受け止め、逆境にぶち当たっても粘り強く堪えます。努力は熟達への通過点と考え、批判から学び、他人の成功からも学んだりインスピレーションを受けたりするという流れ。根本にあるのが「学びたい」という考えのため、全てを雪だるま式に吸収し、高い成功レベルへと到達できるというわけです。

つまり、「固定された思考態度」の人は世界を決定論的な見方で見ているため、今自分がやっている「過程」に意味を見いだせず、「成長する思考態度」は自由意思を行為者に与えるのです。

Dweck博士によると、学校の中や社会の中、人と人の関係の中でも、結果を証明しようとする人は多くいるそうです。彼らは自分の持っている能力や素質は限られており、自分の知性や人格がどんな状況でも評価対象にあると考えているため、「自分は失敗しているか、成功しているか?」「賢く見えるか、バカに見えるか?」「受け入れられているか、排除されているか?」「勝者か、負け犬か?」ということに重きを置いてしまいます。

一方で自分の素質は努力によって伸ばすことが可能だと考えている人は上記とは別の考え方をします。人によって持っている素質は別々ですが、誰しもが経験や勉強を通して素質を育てたり変えたりすることが可能であると考えるのです。もちろん、努力をしたからといってアインシュタインやベートーベンのようになることは必ずしもできませんが、自分の潜在能力を「まだ分からない」ものと考えることで、情熱を持ちトレーニングを何年も行うことができるのです。

Dweck博士が行った研究の1つに4歳の子どもを対象にした実験があります。1つのグループには「固定された思考態度」を教え、もう片方のグループには「成長する思考態度」を教えてから、それぞれのグループに2種類のジグソーパズルを選択させたところ、「固定された思考態度」のグループは自分の能力を示せるように簡単なパズルを選び、研究者らに対し「間違えない」という自分の能力を示し、反対に「成長する思考態度」のグループは「固定された思考態度」のグループのことを「新しいことが学べないのにどうして何度も同じパズルを選ぶのか」と困惑していたそうです。つまり、「固定された思考態度」のグループは自分を賢く見せるための確実な成功を求め、「成長する思考態度」のグループは自分の能力を伸ばせる方を選んだのです。これは彼らの「成功」の定義が賢く見せることではなく、賢くなることを意味するためだと考えられます。

また、Dweck博士は著書の中で7年生の少女の発言も引用しています。彼女は「知性は、もともと備わっているものではなく、自分で育てなければならないものだと思います。答えが分からない時、多くの子どもが出された質問に対し、手を挙げないでしょう。でも私はいつも手を挙げます。なぜなら私の答えが間違っていたとしたら、それはちゃんと正されるからです。もしくは手を挙げて『どうやって解くのですか?』とか『分からないので、手伝ってもらえますか?』と尋ねます。そうすることによってしか知性は向上しないからです」と言い、2つのグループの考え方の違いをハッキリと言葉にしました。

さらに、Dweck博士らは10代の少年少女を中心としたテストを実施。それぞれの子どもに非言語的な10個のIQテストを解かせ、2種類の方法で彼らを褒めました。1つの方法は「わあ、△点も取ったの、いい点ね。あなたは頭がいいわ」というもので、もう1つは「わあ、△点も取ったの、いい点ね。よく頑張ったわ」というもの。つまり、一方は能力を褒め、もう一方は努力を褒めたのです。

すると、能力を褒められた子どもは次に2つの問題を選択する際、難しい方の問題を避け、反対に努力を褒められた子どもたちの90%は学びの得られる難しい方の問題を選んだのです。そして興味深いことに、その後にDweck博士らが子どもには解けないような難しい問題を与えた時、前者、つまり「固定された思考態度」のグループの子どもは自分のことを頭が悪く、才能がないと考える傾向にありました。

このことから、2つの考え方は挑戦に対する「楽しみ方」に大きな影響を与えることがわかります。どちらのグループも最初の問題は簡単に正解できるため楽しめるのですが、問題が難しくなっていくと、能力を褒められた子どもは楽しむことができず、一方、努力を褒められた子どもたちは自分の能力を伸ばしていけるので難しい問題でも楽しめるわけです。前者が問題に正解できないことでどんどんやる気をなくして行くのに対し、後者はどんどん成長していきます。

そして「固定された思考態度」の持つ最も大きな弊害は、「固定された思考態度」のグループの子どもたちが嘘をつくということにありました。彼らは「テストの点数を仲間に伝えるために手紙に書いて」と言われると、賢く見られるために嘘の点数を書いたのです。

この結果は2つの考え方の成功に対する考えも左右します。「成長する思考態度」のグループは「一生懸命やっている時の成功は自分を高める」と考えますが、「固定された思考態度」のグループは「成功は自分の卓越さを証明するものであり、偉大な人になることは無名であるよりも価値のあることだ」と考えます。

Dweck博士は上記のような2つの考え方を、仕事や教育ではなく、愛にこそ適応させなけらばならないと述べています。人と人の関係において「固定された思考態度」を適応させると、自分の理想の相手が自分自身を高みにやり、自分に完全さを感じさせてくれると信じますが、「成長する思考態度」のグループは自分の間違いを認めてくれ、愛を持って成長を手助けしてくれる人をパートナーに好みます。「固定された思考態度」こそが間違った「真実の愛」の根本にあるとはDweck博士。「固定された思考態度」のグループは「相手が自分たちの関係をどう考えているか」ということについて自分とわずかな違いがあっても、脅威や相手に対する敵対心を感じるとのこと。

後退なくして達成がないように、素晴らしい人間関係には問題や争いが必ずあります。

しかし「完全さ」を重視する人々は争いが起こると多くの場合、相手の性格に欠点があるとして相手を責め出します。そして相手をさげすみ、相手との関係そのものを不満に思う傾向にあるようです。一方「成長する思考態度」のグループは相手を責めず、欠点を認め、欠点があっても自分たちは十分な関係にあると考えます。彼らにとって争いの原因はコミュニケーションの問題で、相手の性格上の欠点ではないのです。

「たかが考え方1つ」と思いがちですが、スイスの哲学者アンリ・フレデリック・アミエルが「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる 運命が変われば人生が変わる」と残したように、自分の人生を変えるにはまず考え方から変えるのが重要ということが20年の研究で証明されたのでした。

きっとお母さんは、保育園の保育の中身や担任の保育のやり方に対して

なにやら疑問を持たれていたのかもしれません。

1時間ほどしっかりとお話ができて、お母さんのお気持ちも少しやわらいだようでした。

それにしても、こうしてご自分で勉強なさっているその姿に、

また、引用してくる文章の内容に、

このお母さんの子育てのセンス、を感じました。

現場の保育士たちもうかうかしていられません。

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結婚記念日だから・・・・

2014年02月23日 | 旅行
今までは、どちらかというと
人里離れた山の中の温泉(秘湯)が多かったのですが
今回は、ガラッと変えて「海辺」です!


「海が見たい!」
「海のおいしいものが食べたい!」
というわけで、今回のお宿はここになりました。

ホテルのプライベートビーチ


海に続く、ホテルの庭・・・・・


結婚記念日なのでこんなプレゼント
(バラ風呂をどうぞ!ですって)


お祝いのシャンパンとおいしい料理で
ちょっと贅沢な時間・・・・・


あくる朝、海から朝日が昇るのを見ました


良い、リフレッシュ休暇になりました。

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おはらい町通り「おかげ横丁」を歩きました

2014年02月23日 | 旅行
内宮に行くには、
おはらい町を通っていきます

新橋からの古い町の眺めです




おはらい町は、とてもにぎやかでしたが、
お店の人に聞いて見ると
「平日もたくさん人が来ているけれど、今日は少ないほう・・・」
というお話でした。




土日は、身動き取れないほど観光客が来るようです


昔ながらの風情のある軒がいいですねえ


内宮に1時間半、
この通りはおよそ1時間、
あちらこちら眺めながら
ゆっくりのんびり歩くのも楽しいものです。
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お伊勢詣り

2014年02月23日 | 旅行

毎年2月は、ちょっと小旅行
いつも、結婚記念日の前後に・・・・・

子どもたちから手が離れるようになったころから
もう、かれこれ7~8年になるでしょうか・・・・

どちらかというと、
雪見の露天風呂目当ての温泉旅行が多かったけれど、
今回は、温かい地方へ・・・・

というわけで・・・・
伊勢神宮へ


昨年秋、式年遷宮を終えたばかりの新しい神宮です
こちらは、別宮の立て札


こちらは、米蔵(?)


内宮そのものは、撮影禁止なのです(残念)
したがって、その入り口だけを・・・・

松の木の手入れが大掛かりで行われていました


見事な大木です

そういえば一昨年、木曽の赤沢自然保養林に行ったとき
伊勢神宮に差し出した、という檜の切り株を見てきました
たいそうな切り株だったことを覚えています

その檜が、この神宮のどこかに使われているのですね

日本古来の建物、その建築技術の素晴らしさも
目の当たりにしてきました

新しくて、檜の匂いや、萱のにおいがしてきそうでした。

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アマランサスを育てて

2014年02月17日 | 日記
子どもたちが描いた「アマランサス」の絵


南米原産のアマランサスは「雑穀」と呼ばれ、
伊那市では、信州大学と提携し栽培の研究をしています。


このアマランサスの栄養価はとっても高く、
タンパク質は精白米の約2倍。
雑穀の中でもタンパク質の多いソバをも上回っていて、
質的にも優れています。
カルシウムは精白米の25倍、
脂質は5.6倍、鉄分は50倍と、
ヒエ、キビ、アワに較べてもはるかに多く、
その他、繊維、リン、カリウムなども多い、
栄養価の高い食品です
(これは、信大の先生の受け売り!)

そんなアマランサスを、プランターや畑で育て
アマランサスがオレンジや赤の花を咲かせた様子を絵に描いたら
今日は、そのお礼と、
アマランサスの会の皆さんがプレゼントをもって
尋ねていらっしゃいました。


小さな小さな実を、今日はクッキーに混ぜて
クッキングを楽しみました。
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