故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

記憶

2017-07-24 07:45:42 | よもやま話

障子に映ったベランダの植物が風に揺れていました。
取り残されたような寂しい気持ちになったことを覚えています。


今日のテーマは、「記憶」です。
記憶とは、
物事を忘れずに覚えている。または覚えておくこと。
また、その内容。もの覚え。
生物体に過去の影響が残ること。
(心)過去の経験の内容を保持し、それを後で思い出すこと。
将来の行動に必要な情報をその時点まで保持することも含む。
(広辞苑より)
このような説明が出ていました。

「生物体に過去の影響が残ること」について考えてみたい。
誰にも辛い想いや思い出したくない過去があります。
心に悪影響を与えることがある。
辛い想いの記憶は未消化のまま、脳に記憶として残ります。
学校でいじめに会う。
最初は小さい悪ふざけのようなものだった。
いずれなくなるだろうと願っていた。
心の傷として残るまでに、
解きほぐすように、自分に向き合い時間があったら、
誰かの助けがあったら、
氷が解けるようにさらっとした水になることがあります。
辛いと思った記憶も、
経験を重ねることでなんでもないことだと理解し、
笑い話になることもあります。

SNSで、「いいね」を求められます。
感覚的に、「いいね」を返します。
果たして良いことなのかと、後で少しだけ思い返します。
情報が溢れています。取捨選択はなかなかできません。
世論に流されるように生きることにしました。
いつからそうなのか記憶を辿っても。判然としないことがあります。
なんとなく気持ちが悪い。
私は、「いいね」を返すのをやめることにしました。
SNSで共感することは少なくなりました。
併せて、大事な思い出として、物を残すことも止めました。
「とりあえず」と残すことを止めました。
ものは、ゴミとして残ります。
未消化の記憶は、気持ち悪さとして残ります。

記憶は、ものとして残さない。
その代わり、気になったことはその場でじっくり考えることにしました。
毎日やっていると、長い時間は必要としなくなりました。
そして忘れる。
考えたことも残すことを止めました。
同じことで悩むこともあります。
また、考え直す。
そして忘れる。

義理だけの付き合いも止めました。
「今」だけに集中しています。
記憶は氷解し、「昔からこうだった」と思うようになりました。

広辞苑による「記憶」の説明に、
「将来の行動に必要な情報をその時点まで保持することも含む」とあります。
気になっていることを毎日考えるようになってから、
そのことを都度忘れると書きました。

脳はよくできているもので、
じっくり考えた事柄は、思い出すことも容易で、
次にじっくり考えたことと、上手く融合してくれます。
考えたことを引き合いに出し、
次の展開に引用することもできるようになりました。
忘れることを恐れなくなりました。

同じ年代の友人と話すと決まって、
物忘れがひどくなってと現役で働く友人が言います。
彼は、物忘れが罪のように思っておられるのです。
私は、誰がそれを知っているかだけを覚えれば良いのです。
必要になったら、その人に聞けば良いとアドバイスします。
記憶の壺は、常に満杯です。
新しい記憶(今朝何食べた)からオーバーフローします。
それでよい。何にも支障はない。
忘れたら、調べたらよいし聞けば良い。
尋ねることも怖くない。

認知症の方がおられます。
時々、道に迷われて誰かの世話になります。
迷ったら、誰かに聞けばと話します。
恥ずかしいから聞けない。と答えられました。

もう一つ、記憶に関して注意していることがあります。
嘘をつけなくなりました。
あの人にこんな嘘をついた。
覚えていられなくなりました。
嘘も方便。
これが出来なくなった分、世間が狭くなったとも言えるでしょう。

物忘れ 恐れるなかれ また習い

2017年7月24日
コメント
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