唐柿です。
そっと皮をむき、柔らかい果肉にかぶりつきます。
赤でもない青でもない色に挑戦してみました。
東京が猛暑になる頃、長雨が続きます。
暑いと身体が心配、雨が続くと日照時間が少なく作物が心配。
葉をたたく雨音に、森の静けさが不気味です。
今日のテーマは、「雨音」です。
故郷の雨音は、海面をたたくしぶきの音でした。
夏の終わりを告げる走るような雨音でした。
初めての東京暮らしで聞く雨音は、
車の走る音とウインカーの音に消えてしまいました。
雨音を聞いた覚えがない。
ここでは、いつまでも同じリズムで、庭の植物の葉をたたく雨音がします。
集まって砂利道を通り、駐車場に流れる水の音さえ聞こえるようです。
沖縄で聞いた雨音は、ひっくり返したような雨音でした。
乾いていたアスファルトが、一瞬にして川になりました。
そして急激に温度が下がりました。
スイスでもドイツでも、春小麦に落ちる柔らかい雨音を聞きました。
雨音を思い出そうとしても、聞こえてこなかった記憶しかありません。
それほど少ない降雨でした。
瓦屋根をたたく雨音、遊びに夢中になって気づいたら、
軒から落ちるしずくの音。
闇に誘うような、ピチャンと一つまた一つ。
明日は晴れそうな気がしました。
来ない人を待ち続けた窓辺から、
傘を目深に差す人通りを眺め続けました。
雨がはじける瞬間の音を聞いたような。
雨音は単調です。
時々、風が雨音に強弱を与えます。
長雨が明けたら、いよいよ夏です。
夏休みになっても、子どもたちが元々少ないカフェの周りです。
昨年の秋に描きためた、中学生の個性的な似顔絵を展示しました。
どれだけの中学生が訪ねてくれるでしょうか。
雨音に 誰か訪ねて 来たような
2017年7月18日