
若き社長の誕生を祝って描いた一枚です。
清流山国川を遡上する若鮎を連想しました。
先代が作った魚道を通るのか、はたまた激流を行くのか。
製粉会社の若社長と話すことができた。
今日のタイトルは、「悩みは尽き無し」です。
親となり子となって、家族は支え合っていく。
会社経営は、孤独との戦いでもある。
最終決断を下すゆえに孤独になる。
社長は、正直に現在ある悩みを打ち明けた。
私は、知っている限りの話を即興でアドバイスする。
悩みが深い分だけ、ヒントを探そうと話に集中するのが受けごたえでわかる。
話したりなかったことを、ここに記すことにした。
現場を見ようにも、詳細検討しようにもなにせ距離がある。
カフェを始めたばかりに、柵(しがらみ)を増やしたばかりに自由な時間が取りにくい。
最初のアドバイスは、社外にブレーンを持つことである。
社内のブレーンでは、限界がある。
損得勘定のない爺やならOKであるが、そんな人は少ない。
社長は、偏らない平衡感覚を持ち合わせなければならないからである。
社長の意向を見抜いた助言をするものである。
そんな助言を排除して、エッセンスだけを取り入れ判断をする。
偉くなった人は、自由に話せる場を作る。
下の者は、自由に意見を述べなければならない。
社員相応が、「ここまで言ってもよいんだ」と限界を取り払う。
ヒントとなる「キーワード」を探すのが、社長の役目である。
社業は、メインのものがある。
時代の変化に対応できる新製品の賞味期限は10年と短い。
センチュリーカンパニーを目指すなら、社内に隠遁している「変人」を見つけ、
遊ばせるゆとりを持つことである。
社会の価値に順応し、個人の価値創造力が欠乏する優秀な人材の賞味期限も10年である。
いわゆる優秀な成績を残す、言われたことをてきぱきとこなす人のことである。
次のアドバイスは、「面白がる人」と付き合うことである。
分析力が優れ、後先の判断をしてから行動する人がいる。
未知の分野は、予想不可能である。
よって、果敢に挑む「面白がり屋」と友達になることである。
かつて、友人と「儲かる話」を肴に一晩中飲み明かしたことがある。
自分が持っている全情報、そして全能力をつぎ込んで、架空の「儲け話」を繰り広げた。
「どうしました」と抱え込んでいる仕事を端によせ、
面白い話を聞こうとする意欲のある人のことである。
そんな友人は、社内外を問わずに数人は欲しい。
「あんたは、馬鹿か鈍いのか」とある社長に言われたことがある。
私の会社との縁を切るための無理難題だったのである。
その無理難題に果敢に挑戦したことがある。
空き地の有効活用など私の商売とは無縁のテーマであった。
おにぎりが売れない。どうしたら売れるようになるか。
こんな面白い話に飛びついたものである。思えば、今もそんなことをしている。
最後のアドバイスが、「己を知る」ことである。
自分が進みたい方向が、自分でもわからない時がある。
かつて、プロジェクトのコンセプトを創造するのに困ったことがある。
このプロジェクトをどんなコンセプトで進めるのか、皆にわかる言葉で話したい。
迷った時の道しるべとなるようなコンセプトである。
模造紙に想いを綴ることである。
思いつくことを短時間に「ワード」だけ書き続けるのである。
その後冷静になり、関係するワードを線でつなぐのである。
その線が多い「ワード」ほど、自分が思い描いている潜在的な「コンセプト」である。
社長は、皆の相談相手でありながら、けん引するリーダーでもあるわけである。
寝ても覚めても、シミュレーションをし続けることである。
社長には、想定外のことなどあってはならぬのである。
無責任な発言が社業をつぶす原因となる。
食品会社の社長は、肝に銘じておくべきである。
年よりの戯言と聞いてくれれば幸いです。
遡り 朽ちて次なる 肥しなり
2019年3月26日