故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

落雁

2024-09-27 04:45:59 | よもやま話

写真のタイトルは、’’Dom’’です。
ザルツブルグの教会の地下に眠る司教の墓をしめやかに、おどろおどろと照らしていました。


写真のタイトルは、「お盆祭り」です。
先祖を弔うのに、にぎにぎしく躍動していました。


義父の11回忌で、坊主の説教を聞いた。
100歳を超える人は、現在9万人という。
昭和38年(うろ覚え)の153人に比べ、なんと600倍だそうだ。
和尚が言う。
長生きの秘訣と聞かれ、「わかりません」と答えた老人がいた。
これこそ、素晴らしい答えだと和尚は感銘した。
病気を受け入れ、苦難(地獄のような)と共に生きてきた。
一日を大切に生きていたら、周りより一人だけ長生きしていた。
そういうことらしい。

さすが、説教上手である。
分かりやすい例え話から、法話の話に導く。

和尚が仏間から廊下に行き、廊下から段に降り、外に出た。
この辺りでは、廊下の外に石や木でできた段がしつらえている。
和尚は、玄関から入室することはなく、この段から出入りする。

皆で、食事をしたあと、お供え物を姉妹で分けた。
中に、ハスの花の落雁(今日のタイトル)があった。
子供の頃、お菓子に飢えていた。
落雁は、慌てて口に入れ、上あごにくっつくものだと覚えている。

なんで、お供え物に落雁なの?
砂糖は貴重なもので、美味しいものの代表格であった。
お供え物にして、先祖に敬意を表したものであろう。

落雁の原料に、糒(ほしい)が用いられた。
戦時において、糒は貴重な食料であった。
戦(いくさ)がなければ、備蓄した糒も持ち腐れである。
古くなった糒の再利用にもなった。
落雁の乾燥に、焙炉(ほいろ)を使った。
原料を型にはめ(打物)、蒸した後、焙炉(パンであれば、35℃ー40℃、湿度70%)で
乾かすのは理にかなっている。
水分が抜けきるには、どのくらいの時間がかかるのであろう。

最近では、落雁の代わりに砂糖そのものをお供えすることもあるとか。
遺族の供物の使いやすさを考えた結果であろうか。

仏事は、普段会わぬものが一堂に会する。
ご馳走をいただき、談笑する。
近く(呉)に帰ってきた義娘もやってきた。

2024年9月27日

落雁とは、
空から舞い降りる雁。
打物の一種。米・麦・大豆・小豆などの粉を主原料とし、砂糖・水飴・微塵粉(みじんこ)でねり、
型に押し込んで焙炉(ほいろ)で、また自然に乾かしたもの。
(広辞苑より)
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