故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

生ごみ大好き

2024-12-06 11:08:38 | よもやま話

絵のタイトルは、「昔からそこにいたような」です。


この時期、鋤いた畑をさらにほじくるやつがいます。
猪は、匂いをかいで虫や芋を掘ります。
この猪に、田んぼを鋤かせんさいと教えた人がいました。
教えられた人は、3m間隔でさつま芋を1mの穴に埋めました。
期待に応えた猪は、田んぼを1m以上のクレーターだらけにしました。
均一に撒いたつもりの芋でした。
田んぼは、雨が降り埋めるだけでも苦労の水たまり群になりました。

今日のタイトルは、「生ごみ大好き」です。
東北にいる頃は、猪は畑に出没しませんでした。
脚が短い猪は、深い雪に足を取られ生きていけない。
カフェで、1組(2人~30人)だけの予約客にお任せ料理を出しました。
お任せ料理は、2000円/人にしました。
持ち込みの酒代(1000円)を足しても、3000円/人で足ります。
東京の新橋・中野、横浜野毛で満腹で酔いどれの値段です。

魚や肉の残渣が出ると嬉しくなりました。
野菜ゴミに糠を混ぜて、生コンポストを作りました。
熟成に3か月かかる為、蓋つき底なしのコンポスト3基で回しました。
うじ虫が大量に発生し、さなぎになるころ畑に播きました。
臭いが凄いので、すぐにカンリ機(耕運機)で、土と一緒にかき回しました。

毎年1000頭は捕獲する島では、生コンポストは作れません。
夜な夜な庭先を徘徊する猪の格好の餌になります。
庭に鉄柵を回すなど、風流が台無しです。
妻が家から持ってきた乾燥コンポスト(電気で乾燥)に切り替えました。
家庭ごみは1/3になり、臭いも保管場所にも困りません。
乾燥コンポストも畑に入れて、肥料となります。
刈った草も川に溜まった落ち葉もぜーんぶまとめて腐らせます。
コンポストと腐葉土をカンリ機で鋤き込めば、
カチカチだった畑が手で掘れるほどふかふかになります。
土づくりが進み、野菜は年々虫や病気に強くなり、
丈夫な葉を持つ野菜の収穫量が上がります。

耕作放棄地は余るばかりです。
草を刈っても耕しても植えるものがありません。
都会に住む友人や、島で暮らす畑を持たぬ人たちを畑に招待します。
私たちが種(種代は友人持ち)を植え、育てます。
収穫は年一回、友人たちと持たぬ人たちの家族です。
掘ったり摘んだりする喜び、食べる喜びを分けます。
中には、苗や種を買ってきて植える人も出てきました。
半額の種や苗は、推して知るべしと学んでいきます。
私たちが植えて育てた野菜や、耕作放棄地に植わっていた果樹の果物も分けます。
おかげで、畑で腐らせる収穫物はなくなりました。

どこかで切れる食物連鎖です。
耕作放棄地を活かすと言っても、食べる人がいなければ成り立ちません。
面白いと思えなければ続きません。
農家として生きる努力で、里の風景が保全されています。
奥多摩地区が大東京の獣と人間の境界線です。
守り守られ永遠に続く里の風景です。

2024年12月6日
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