4月から準備を始めていたマルバネ用マットが出来ました。
対象とするステージは産卵用・若齢用・終齢用の3種ですが
私のマルバネ飼育は飛び飛びの気ままなスタイルで
長年継続してブリードしてきたわけではありません。
その為、自作マットのレシピも確立しておらず
産卵用マットを含め、幼虫の生育ステージや死亡率などによって
その都度調整しているのが現状です。
材料
基マット =幼虫が生まれ育ったマット
赤枯れ =ブナやシイの赤くかれたもの
発酵マット=市販のよく発酵したマット(黒いマット)
水
赤枯れのこと
マルバネ飼育にどうしても欠かせないのが赤枯れ材です。
左ヤエヤマ・右オキナワ
これまでマルバネ飼育に用いるマットにはブナの赤枯れを使用していましたが
今回はより身近なスダシイを使用しました。
私の住む地方では山に自生する樹木の多くはクヌギ・ナラ・シイなどといった広葉樹であり
シイ(スダジイ・ゴジイ等)も優先種の一つです。
シイの自生する場所は急な斜面が多く、日当たりのよいところでは大きくなる傾向があります。
赤枯れ部にはハサミムシ・コメツキムシ・ムカデ・ゴミ虫
大ゴキブリ・シロアリなど実に様々な虫が入っていますが
これらの虫が入っていれば使用に問題ないと判断しています。
↓オサムシ
乾燥~粉砕
まず、赤枯れ破片を木槌などで砕き、ある程度粉砕します。
また、適度に水分のある赤枯れ材はもろく、簡単に崩れますので
手もみでもかなり細かくするとが出来ます。
↑↓粉砕前とその後
次に、天日で乾燥させます。
ところが、採取した赤枯れの量が多いので1週間たっても思うように乾燥できず
乾燥後にミキサーを使って粉状にしようと思っていたのですが
今回はふるい掛けすることにしました。
出来上がったマットは、チャック付き袋に入れて一時保管しておきます。
↓ 38Lほど採れました
ミキサー粉砕の場合
本当はここまですればよいのですが・・・
朽ち木は、水分が残っているほど粉末状にできにくくミキサー下部に詰まりやすいので
モーターへの負荷も大きくなります。
採取時とさほど変わらない色合いでは乾燥が不十分です。
↓ 左:粉砕前 右:粉砕途中
粉砕したマットは粉のようになり風で舞います。
ここまで細かなものならパウダーと呼べます。
生ごみ処理機のこと
画像の処理機で乾燥~粉砕を何度か試みたのですが
加熱温度が高温すぎるためマットはきな臭くなり
使用できる状態にはなりませんでした。
結局この処理機をマット加工用としては使いこなせないまま
今は文字どうり生ごみ処理に役立っています。
市販マットのこと
ここで言うマットとは市販の黒いマットのことで
所謂カブトマットとか完熟マットというやつです(以下黒マット)
黒マットも必ずふるいにかけ、目立つ木片を取り除きます。
↓ 赤く見えますが実際は黒です
マットの質は、種類・LOT・メーカー等によって異なりますので
当然、ふるいを通らない木片量も異なります。
これまでの経験では、超微粒子・パウダー・ペーストと
唄われているマットで100%ふるいを通過したものはありませんでした。
今回使用した黒マットは、ふるいを通らなかった木片が10%ほど含まれていましたが
これは良いほうです。
以前マキシムスマルバネに使用した黒マットは30%ほどの木片を排除しました。
また、マットに高栄養とうたってあるものはその後が不安なので避けています。
マットの混合
それぞれのマットが準備出来たら次は混合です。
先のも書いたように、3種のマットを2回に分けて作りました。
最初は4月に①産卵用と②初齢~2齢用を今日は③終齢用を作りました。
①産卵用には基マット1:赤枯れ1の比率で
3種のうち最も水分多め、高粘土で、今年の産卵用取り置きです。
②初齢~2齢用
4月上旬の生育ステージは初齢が殆どであったため
安全性を考慮して基マットと赤枯れと黒マットの比率を1:1:1にしました。
↓ 左=赤枯れ:中央=基マット:右=黒マット
水分量は、強く握って水がほんの少し滲むくらい。
団子が崩れずそのままでいる状態です。
そして、③終齢用は赤枯れ3:黒マット7の割合で水の量はマットの状態を見ながら
今回はマット20Lに対し、水2.5Lを使用しました。
↓ ③終齢用撹拌前
↓ 完成、幼虫が終齢になるまで寝かせておきます
また、同じマルバネでもマキシムスマルバネ終齢は
市販の黒マットをふるい掛けしたものだけでもよく育ちました↓
オキマル単独飼育の開始
*現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。
単独飼育の開始は私の場合
孵化から半年以上たった春から夏にかけて行なうことが多く、そのころは初~2齢の段階です。
今回の単独飼育開始は4月上旬で
480mLほどのプリンカップで、②のマットを使用しています。
↓ 堀だし・狭い範囲にかたまって暮していました
↓ まだ初齢の幼虫もでてきました。
↓ 緑線より下は基マット、上は②のマット
②マットは作成してすぐ使用しましたが幼虫は暫くの間基マット内で暮しますので
その間に②マットは今よりなじむものと思います。
↓ 1か月経過したプリンカップ底部
↑幼虫は見えませんが緑に囲った変色部は幼虫が巣食っているところになります。
5月8日現在、多くの幼虫が2齢になっています。
また、作成したマットは粘土があるとはいえ粉状ではないので
通気という面では有効であると思います。
あとは乾燥に注意しながら無事終齢なってくれるのを待ち
終齢初期の段階でマットごと2Lブロー容器に移し替え寝かせ馴染ませた③のマットを追加補充します。
その後1~2回のマット追加を経て来年の今頃に蛹室を作成してくれるのが理想です。
下の画像は2014年生まれの終齢で、派手な空間(脱出口)が確保できたら蛹室に入ります。
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