祖母が息を引き取る前の晩に、曾孫たちはお別れをすることができた。
だからかどうかわらないけど、小学生男子の曾孫たちは、通夜及び告別式が執り行われている以外のときはしゃぎまくりだった。
告別式が終わり、親族はバスに乗り火葬場へ向かった。
祖母と最後の別れだった。
棺桶が炉に入れられ、喪主である母が点火スイッチを押した。
ゴーッという音がコンクリートに響きわたった。
一族は待合室へと移動した。
ソファに腰を下ろそうとしたとき、愚息がボクを呼んだ。
振り向くと愚息は、夏には似つかわしくない長袖長ズボンの普段着姿になっていた。
手には、以前、映画館で買ったキャラクター絵柄のプラスチックのポップコーン空箱があった。
「おとーさん、クワガタとりにいこ、クワガタ!」
熊本市営の火葬場は市の東部の郊外にあって、周辺には墓地が広がるほか、火葬場の正面には雑木林がある。
以前、その雑木林でカブトムシやクワガタを捕ったことがあった。
愚息は、着替えをこっそり準備していたのであった。
用意周到なヤツめ。
ボクは喪服だったけど、曾孫どもの先頭に立って雑木林に突入した。
瞬く間に、ノコギリのオス3匹とメス2匹を捕まえた。
子供達はたいそう満足げで、火葬場に来ている他の子供達に見せびらかしていた。
だからかどうかわらないけど、小学生男子の曾孫たちは、通夜及び告別式が執り行われている以外のときはしゃぎまくりだった。
告別式が終わり、親族はバスに乗り火葬場へ向かった。
祖母と最後の別れだった。
棺桶が炉に入れられ、喪主である母が点火スイッチを押した。
ゴーッという音がコンクリートに響きわたった。
一族は待合室へと移動した。
ソファに腰を下ろそうとしたとき、愚息がボクを呼んだ。
振り向くと愚息は、夏には似つかわしくない長袖長ズボンの普段着姿になっていた。
手には、以前、映画館で買ったキャラクター絵柄のプラスチックのポップコーン空箱があった。
「おとーさん、クワガタとりにいこ、クワガタ!」
熊本市営の火葬場は市の東部の郊外にあって、周辺には墓地が広がるほか、火葬場の正面には雑木林がある。
以前、その雑木林でカブトムシやクワガタを捕ったことがあった。
愚息は、着替えをこっそり準備していたのであった。
用意周到なヤツめ。
ボクは喪服だったけど、曾孫どもの先頭に立って雑木林に突入した。
瞬く間に、ノコギリのオス3匹とメス2匹を捕まえた。
子供達はたいそう満足げで、火葬場に来ている他の子供達に見せびらかしていた。