街の本屋で一人の老婆を見た。
ストールを羽織り、胸元に赤子を抱いているように見えた。
あやしながら声を掛けているが、その声は本屋では大きすぎた。
赤子も返事をしているようだった。
耳を澄ました。
子供風の機械的な声が応えていた。
二人のヤリトリは会話として成立していなかった。
しかし、老婆は、彼女をあやしながら書棚を回るのだった。
彼女は犬型のロボットだった。
ペットブームと呼ばれて久しい。
東京に住む友人の一人なんか、ペット雑誌で一儲けしているくらい。
人や自然との関わりが薄れた分をペットで補おうとしているのか。
癒しを求めているのか、友人を求めているのか、健康のためか。
仕事で山に入った。
林道で一匹の老犬を見た。
きっと、以前は住宅街を飼い主と一緒に散歩していたに違いない。
血統が君の価値だったのか。
君はなんだったんだろうね。
でも、まだ、死んじゃぁいないさ。
別の林道で、紐に繋がれたまま、死んでいるのを見たことがあるぞ。
ストールを羽織り、胸元に赤子を抱いているように見えた。
あやしながら声を掛けているが、その声は本屋では大きすぎた。
赤子も返事をしているようだった。
耳を澄ました。
子供風の機械的な声が応えていた。
二人のヤリトリは会話として成立していなかった。
しかし、老婆は、彼女をあやしながら書棚を回るのだった。
彼女は犬型のロボットだった。
ペットブームと呼ばれて久しい。
東京に住む友人の一人なんか、ペット雑誌で一儲けしているくらい。
人や自然との関わりが薄れた分をペットで補おうとしているのか。
癒しを求めているのか、友人を求めているのか、健康のためか。
仕事で山に入った。
林道で一匹の老犬を見た。
きっと、以前は住宅街を飼い主と一緒に散歩していたに違いない。
血統が君の価値だったのか。
君はなんだったんだろうね。
でも、まだ、死んじゃぁいないさ。
別の林道で、紐に繋がれたまま、死んでいるのを見たことがあるぞ。
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