子供の頃、夏休みは遊びまくってたと思う。
ゲーセン通いもしてたけど、ムシ捕り、魚釣り、ワケワカンナイキケン探検などなど。
中でも、カブトやクワガタはよく捕りにいった。
未明の暗いうちから度胸のある友人と山にいったものだ。
クワガタ捕りには、欠かすことのできない三種の神器があった。
割り箸、懐中電灯、蚊取り線香とライター。
夜が明けてしまうとクワガタは簡単には見つからない。
だから、ボクらはクワガタの寝床であるウロ(木にできた小さな穴やすき間)を攻撃していた。
蚊取り線香に火を点け、煙をウロに流し込む。
すると、ウホゲホ状態になったクワガタが自ら進み出てくるというアンバイ。
新鮮な空気が吸えるとこまでしか姿を現さないカシコイやつには割り箸で追撃をしかけた。
たまには、クワガタ以外のムシたち、たとえば、ゴキブリ、ヤスデ、巨大ムカデが飛び出してきたりで、それも一興だった。
ある日、友人達と新規開拓のため、初めての山に入った。
その山の雑木林は下草が多く、我々の背丈ほどで、見通しが非情に悪かった。
動物の気配を感じた。
ボクらは歩みを止め息を殺し、あたりを窺った。
ガザガザガザガザ、ド、ド、ド、ド。
ナニかがこちらに向かってきた。
草陰の向こうに白と黒の巨体が見えた。
牛だ!
近所には牛小屋があり、そこから逃げ出した牛だと思った。
興奮した牛はナニをするかわからない。
二人の友人は木によじ登った。
だけどボクは恐怖で腰を抜かして動けなくなった。
もうダメだと思った。
しかし、白と黒の生き物は、姿を現さずにボクらから遠ざかったようだった。
ボクらは命カラガラでその森から里道へと抜け出た。
里道には一人の年輩の男が立っていた。
山に猟犬を放ったそうだった。
男は笑っていた。
ゲーセン通いもしてたけど、ムシ捕り、魚釣り、ワケワカンナイキケン探検などなど。
中でも、カブトやクワガタはよく捕りにいった。
未明の暗いうちから度胸のある友人と山にいったものだ。
クワガタ捕りには、欠かすことのできない三種の神器があった。
割り箸、懐中電灯、蚊取り線香とライター。
夜が明けてしまうとクワガタは簡単には見つからない。
だから、ボクらはクワガタの寝床であるウロ(木にできた小さな穴やすき間)を攻撃していた。
蚊取り線香に火を点け、煙をウロに流し込む。
すると、ウホゲホ状態になったクワガタが自ら進み出てくるというアンバイ。
新鮮な空気が吸えるとこまでしか姿を現さないカシコイやつには割り箸で追撃をしかけた。
たまには、クワガタ以外のムシたち、たとえば、ゴキブリ、ヤスデ、巨大ムカデが飛び出してきたりで、それも一興だった。
ある日、友人達と新規開拓のため、初めての山に入った。
その山の雑木林は下草が多く、我々の背丈ほどで、見通しが非情に悪かった。
動物の気配を感じた。
ボクらは歩みを止め息を殺し、あたりを窺った。
ガザガザガザガザ、ド、ド、ド、ド。
ナニかがこちらに向かってきた。
草陰の向こうに白と黒の巨体が見えた。
牛だ!
近所には牛小屋があり、そこから逃げ出した牛だと思った。
興奮した牛はナニをするかわからない。
二人の友人は木によじ登った。
だけどボクは恐怖で腰を抜かして動けなくなった。
もうダメだと思った。
しかし、白と黒の生き物は、姿を現さずにボクらから遠ざかったようだった。
ボクらは命カラガラでその森から里道へと抜け出た。
里道には一人の年輩の男が立っていた。
山に猟犬を放ったそうだった。
男は笑っていた。