話し好きのクラシック・オジサマ(50歳くらい?)に、クラシック・オタク男子が、音楽は好きだけどクラシックはちょっと苦手な感じの女子をコンサートに誘う場合の「曲目」についてありがたいアドバイスを頂いてしまったんだわ(質問してもないのに)。
「カノジョをクラシック好きに仕向けたいんだろ?ゲハハー」オジサマは酒臭い息を吐きつつ曰く「ポイントは、有名でない感じで始まる曲で、かつ、途中から誰でも知っているようなメロディが突然出てくる音楽」。
なぜその種の曲がいいのかと聞くと、知ってるメロディが出た瞬間、ずっと退屈していた彼女が瞳孔を開いて「あらー、この曲知ってる。こいつクラシックに詳しいんだ!この有名なメロディが出るまでは少なくとも辛抱強く聴けるんだ」ってその男に対するイメージを良いほうに変えると同時に、彼女自身がクラシック好きになってしまうからだとか。
そういう意味で、最初だけ有名でそのあと全然知られざる的な「カルミナ・ブラーナ」、チャイコフスキーのピアノ協奏曲、「ツァラトゥストラ」とかはエンディングに向けてどんどん白けていくのが明白なので不適切。
やっぱし、カノジョが「この音楽聴いたことあるっ!」って目を輝かす瞬間に一緒にいたいですよね。男はそのとき、ことさら当たり前のような冷静な表情を作らねばなりません。まちがっても男のほうから「これから間もなく君も知ってるメロディが出るよ、出るよー!3、2、1」とか眼をギラギラさせてはあきまへん。オタク臭がありとあらゆる毛穴から噴出。
具体的にはオジサマには下記の曲がよいと推薦していただきました。ホント酒くさ。
ショパン「別れの曲」~単品としてではなくエチュード作品10の3曲目として
新世界交響曲の第2楽章、第4楽章、ショスタコーヴィチ交響曲第5番フィナーレ。全然ロマンティックでないけど
シェエラザード3曲目、ブラームス交響曲第3番第3楽章
マーラー交響曲第5番アダージェット
真打はラフマニノフの、パガニーニ変奏曲とピアノ協奏曲第2番!