2020年2月、三河地区の歯科医師会で会長・専務が泊りで交流会をしていた宿のテレビニュースでクルーズ船内で感染者が発生したと報じていた。これが今回のコロナ禍の国内での始まりだと記憶している。
人間とかく過ぎたことは忘れやすい。
嫌な思い出も忘れるからこそ、心の均衡が保たれる、言わば人間の安全装置なのだ。
だが、歴史に学んだり、過去を省みて次代に活かすこともこれまた大切なプロセスである。
【マスクが足りない】
週末の会長・専務の泊りから帰り、月曜日の診療所には、医療資材通販各社から「マスク取り扱い休止中」のFAXがジャンジャン流れてきた。
動きの早い先生は、日曜の内に大量の注文を入れたのであろう。
瞬時にどこの歯科材料屋の在庫も尽きた。
しばらくすると、市から委託を受けて歯科医師会で運営している休日夜間診療所のマスク在庫不足が浮上した。
専務だった私は「マスクは1患者ごとの交換で無く、1従事につき1枚で」との内容の張り紙をするように事務長にお願いした。
休診日に保健所に出向いて健康政策課の主査(当時)に掛け合って「市の施設なので備蓄マスクを廻して欲しい」と直談判した。
幸い担当者とは仕事上の付き合いも長く、仕事のできる方なので備蓄マスクを確保してもらえた。
後に彼は新たに出来た”感染対策室”の室長に抜擢された。
そう言えば、2月頭に豊橋市長は先の考えも無く中国に防災備蓄マスクを1万枚送ってしまった。
数週間後には、前述の有様だった。
パンデミックが対岸火事だとでも思っていたのだろうか。
後にこの市長は、いろいろな問題で落選し豊橋を出て行った。
できる感染対策室長の昇進と、市長の失脚が対照的で感慨深い。
歯科医師会の会長が不織布マスクの再製実験を開始した。
1日使用し飛沫を受け止めたマスクを滅菌し、無害化して再利用できないかというものである。
滅菌パックに不織布マスクを入れて高圧蒸気滅菌機に掛けるのだ。
結果はノーズピース(鼻にあたる部分)に針金が入っているのだが、それがビニールコーティングされてたり、針金代わりに樹脂が使われていると、変形してしまって満足に使用出来ないという結果だった。
程なく県からマスク2箱が医療機関に届いたので、その実験がその後、臨床現場では実用されることは無かった。
医療従事者以外の一般市民までマスクを買うので、市中のドラッグストアにも不織布マスクは見つからない。
そのうち一般市民は布マスクを作って、アベノマスクが到着するのを待ち望み使っていたようだ。
医療機関には五月雨的に支援のマスクが1箱、2箱入って来る。
昔からの馴染みの患者さんから私を含めスタッフ全員分の手作り布マスクを頂戴した。
不織布マスクはなんとか間に合っていたが、有難く頂戴し、今でも大事に保管してある。
非常時にこそ本当の人間性が現れる。
人間とかく過ぎたことは忘れやすい。
嫌な思い出も忘れるからこそ、心の均衡が保たれる、言わば人間の安全装置なのだ。
だが、歴史に学んだり、過去を省みて次代に活かすこともこれまた大切なプロセスである。
【マスクが足りない】
週末の会長・専務の泊りから帰り、月曜日の診療所には、医療資材通販各社から「マスク取り扱い休止中」のFAXがジャンジャン流れてきた。
動きの早い先生は、日曜の内に大量の注文を入れたのであろう。
瞬時にどこの歯科材料屋の在庫も尽きた。
しばらくすると、市から委託を受けて歯科医師会で運営している休日夜間診療所のマスク在庫不足が浮上した。
専務だった私は「マスクは1患者ごとの交換で無く、1従事につき1枚で」との内容の張り紙をするように事務長にお願いした。
休診日に保健所に出向いて健康政策課の主査(当時)に掛け合って「市の施設なので備蓄マスクを廻して欲しい」と直談判した。
幸い担当者とは仕事上の付き合いも長く、仕事のできる方なので備蓄マスクを確保してもらえた。
後に彼は新たに出来た”感染対策室”の室長に抜擢された。
そう言えば、2月頭に豊橋市長は先の考えも無く中国に防災備蓄マスクを1万枚送ってしまった。
数週間後には、前述の有様だった。
パンデミックが対岸火事だとでも思っていたのだろうか。
後にこの市長は、いろいろな問題で落選し豊橋を出て行った。
できる感染対策室長の昇進と、市長の失脚が対照的で感慨深い。
歯科医師会の会長が不織布マスクの再製実験を開始した。
1日使用し飛沫を受け止めたマスクを滅菌し、無害化して再利用できないかというものである。
滅菌パックに不織布マスクを入れて高圧蒸気滅菌機に掛けるのだ。
結果はノーズピース(鼻にあたる部分)に針金が入っているのだが、それがビニールコーティングされてたり、針金代わりに樹脂が使われていると、変形してしまって満足に使用出来ないという結果だった。
程なく県からマスク2箱が医療機関に届いたので、その実験がその後、臨床現場では実用されることは無かった。
医療従事者以外の一般市民までマスクを買うので、市中のドラッグストアにも不織布マスクは見つからない。
そのうち一般市民は布マスクを作って、アベノマスクが到着するのを待ち望み使っていたようだ。
医療機関には五月雨的に支援のマスクが1箱、2箱入って来る。
昔からの馴染みの患者さんから私を含めスタッフ全員分の手作り布マスクを頂戴した。
不織布マスクはなんとか間に合っていたが、有難く頂戴し、今でも大事に保管してある。
非常時にこそ本当の人間性が現れる。