広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

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この3年は何だったのか 【臨床歯科医の見たコロナ禍 その3】

2023-05-10 08:44:33 | 臨床歯科医の見たコロナ禍シリーズ
【コロナ感染リスクの高い職種にされた】
全国の経営者や意識の高い上級管理職がメインターゲットの雑誌「プレジデント」、そのWeb版たる「PRESIDENT Online」において、何度読んでも根拠が良く解らない米国の分析を引用して歯科業界を危険視する記事が掲載された。

コロナ感染リスクの高い職種「第1位 歯科衛生士」「第3位 歯科助手」「第4位 歯科医師」と書いてあるのだ。
(コロナ感染リスクが高い職種トップ30と発熱率が高い職種 PRESIDENT Online へのリンク)

この記事を読んだ社長が従業員に「歯医者は危険だから行かない方が良い。感染者が出たら工場が止まってしまう。」などと言うことが起こる事は容易に想像できる。
歯科医療関係者はエイズや劇症肝炎が問題となった30年以上も前から、他の外来科よりも格段に高度な感染対策を執っている。
常に患者さんの誰かがエイズ患者だったり肝炎患者だったりその他の感染症罹患者であると想定して対策を日常的にしているのだ。
普段から血液や唾液と接触する医療環境なので当然の対策を執り続けていた。
これを標準感染予防策(スタンダードプリコーション)などと言って、何十年前から実施している。

実際、このコロナ禍においても、せいぜいフェイスシールドを追加するぐらいで、それ以前の日常と変わらない感染対策で済んでいた。
我々から言わせれば外来科の中でも歯科は安全対策済みなのである。

その記事に真っ先に反応したのは神奈川県歯科医師会だった。
出版社宛に抗議状を送ったのだ。

(PRESIDENT Onlineにおいて掲載されている「コロナ感染リスクが高い職種トップ30と発熱率が高い職種」への抗議 神奈川県歯科医師会HPへのリンク)

こうして風評被害と戦う歯科医療従事者の姿があった。
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